近年、メンズエステにおいて性的サービスが発覚し、店舗関係者が摘発・逮捕されるケースが増えています。
風営法の届け出をしていないメンズエステでは、性的サービスを提供することは禁止されていますが、裏で性的サービスを行うお店もあるのが実情です。
そんな違法なお店に、知らずに入店してしまい、事件の関係者として警察に取り調べを受けたくないですよね。
もしもヘルスサービスを前提として働くのであれば、摘発の恐れがあるメンズエステで働くよりも、国に届け出をしている風俗エステの方が安全です。
この記事では、メンズエステで働いたことのある筆者が、メンズエステの摘発事例や、摘発されやすいメンズエステの特徴を解説します。
メンズエステの摘発について詳しく知りたい方は最後までご覧ください。
- メンズエステで「性的サービス」を行い、摘発・逮捕された事例を紹介
- 違法なメンズエステ店の特長がわかる
- 摘発リスクのあるメンズエステよりも、風俗エステのほうが安全
目次
メンズエステが摘発される理由
風俗を経営する場合、風営法に則って警察に届出確認書をする必要があるのですが、メンズエステはあくまでもマッサージを提供するお店であり、風俗店ではないので届け出を提出していません。
風俗営業の許可がおりていない店で性的サービスをすることは違法になります。それにも関わらず、裏で性的サービスをしている店がネット上や潜入調査で明らかになり摘発されてしまいます。
メンズエステ店が増え競争が激しくなる中で、多くのお客を獲得しようとサービスが過激化している背景があります。
メンズエステの摘発事例
東京・性的サービスで摘発のメンズエステ、元在籍セラピストが告白「“脱がない・舐めない・触らない”が鉄則」
警視庁はメンズエステ店『ザギン』経営者の男を風営法違反(禁止地域営業)の疑いで逮捕した。容疑は女性従業員に不特定の男性に性的サービスをするように指示したというもの。逮捕された男は「会社としては、そういう指導はしていないが、私が責任者で、性的サービスを行っていたのであれば、致し方ありません」と供述している。
FRIDAYデジタル
出展:https://friday.kodansha.co.jp/article/293955
銀座、東日本橋、市ヶ谷などにマンション25部屋を借りて営業していた有名店「ザギン」が、2023年1月に摘発されました。
今回の摘発に至るまでに警察から「店側が研修などで性的サービスを指示しない」「衣装チェンジなど過激なオプションサービスをしない」などの指導を受けていたのにも関わらず、性的サービスが行われていたことが発覚したため摘発に至りました。
裏オプションでタッチや手コキ、なかには本番行為を行っていたセラピストもいたようです。
性的マッサージ…メンズエステ女ら「リラクゼーション整体院」の客に 1年で1千万円超を売り上げて逮捕
営業禁止地域で性風俗店を営んだとして、埼玉県警保安課と加須署の合同捜査班は14日、風営法違反(禁止区域営業)の疑いで、性風俗店の経営者(42)=加須市南町、いずれも元同店従業員で無職の女(44)=加須市花崎2丁目=とパート従業員の女(40)=幸手市栄=の中国籍の3人を逮捕した。
埼玉新聞
出展:https://www.saitama-np.co.jp/news/2022/11/15/12.html
埼玉県で「整体院」と称して、不特定多数の男性に性的サービスを提供していた「さくらメンズエステ原気リラクゼーション整体院」が摘発されました。
風俗営業禁止区域で風俗店経営をしていたことが発覚し摘発に至りました。
「7回くらい触っただろ。100万円払え」客を脅して金を奪い取る恐怖のメンズエステ店の経営者(29)ら14人が逮捕 “誓約書”を使った巧妙な手口とは…
メンズエステ店を訪れた男性客が、女性セラピストの体を触ったと店員に因縁をつけられて現金を脅し取られる――。そんな事件が多発していた都内のメンズエステ店「さくらんぼSPA」。警視庁は、同店の他に「たっぷりぃ~む」「Aroma Sanctuary」「ECXIA」など都内に15店舗のメンズエステ店を展開していた中島蓮容疑者(29)を筆頭に、23~42歳の風俗店従業員の男や女性セラピスト14人が恐喝や恐喝未遂、傷害などの疑いで逮捕したと発表した。
文春オンライン
出展:https://bunshun.jp/articles/-/58708
摘発された「さくらんぼスパ」は水着姿での密着が売りのお店でした。施術前に、「セラピストの体を触ったら100万支払う」という誓約書に署名させ、男性客がセラピストに触れるのを確認すると部屋に押し入り、「警察に通報する」と脅して現金を奪い取っていました。
1年強で被害総額は2億円を超えるとのことです。
警察がメンズエステを摘発する流れ
警察がメンズエステに潜入調査し、摘発する流れを解説します。
①客を装って来店
ネット上の掲示板や口コミ情報を見て、性的サービスが行われている疑いがある店に警官が来店します。私服での潜入調査なので一般客と見分けはつかないでしょう。
警官は一般客と同じようにメンズエステのサービスを受けます。
②性的サービスを要求する
施術の途中で、警官はメンズエステで禁止されている「手コキ」や「本番行為」などの性的サービスをセラピストに要求します。
セラピストがこの要求に応じるかどうかで摘発するかを見極めます。
③複数人のセラピストを調査する
性的サービスを要求し応じたセラピストがいた場合、同店の他セラピストにも同じ調査を行い、店全体で違法行為が行われているのかを確認します。
④摘発する
複数のセラピストが性的サービスをしていることが発覚した場合、店全体で違法行為をしていると判断され摘発されます。
摘発された場合どうなる?
摘発された場合、セラピスト・お店・お客がそれぞれどうなるのか解説します。
摘発後のセラピスト
店が摘発された場合、セラピストが逮捕される可能性は低いですが、ゼロではありません。
警察からガサ入れが入ったときに、マッサージ以外の違法な行為をしていると、現行犯で逮捕されます。実際に逮捕されたセラピストも居るようです。
現行犯逮捕にならなかったとしても、摘発された現場にいたセラピストは事情聴取のため警察署に行かなければなりません。
処罰はされなくても警察の記録に「前歴」として残り、事情聴取後に身元引受人を呼ばないと帰れない場合もあります。
身元引受人として、家族や職場の上司、恋人を呼ぶ必要があるためメンズエステで働いていることが身近な人に知られてしまいます。
摘発後のお店
摘発されるとお店は営業停止になり、経営者が逮捕されます。経営者は風営法違反容疑(風俗営業の無許可営業)で逮捕され、「2年以下の懲役もしくは200万円以下の罰金」が科されます。
摘発後のお客
お客が逮捕されることはほぼありません。ただし、捜査の協力のために事情聴取をされる可能性はあります。
しかし、お客がセラピストに性的サービスを強要していた場合には「強制わいせつ罪」に問われることがあります。
このほか、お客がセラピストの胸やお尻を触った場合に、強制わいせつ行為で被害届が出されると、警察に逮捕される可能性もあります。
出展:アトム法律事務所
摘発されやすいメンズエステの特徴
摘発されやすいメンズエステの特徴を解説します。
摘発店の特徴1. 裏オプションがある
裏オプションとは、お店のメニューには記載されていないセラピスト独自の性的サービスのことです。体へのタッチ、手コキ、本番行為などをお店に内緒で裏メニューにしているセラピストがいます。
裏オプションを設定しているセラピストが多い店は摘発されやすいです。
摘発店の特徴2. 近隣住民からの通報が多い
メンズエステはマンションの一室で営業している場合が多いです。多くの場合は営業許可を取らずに営業しています。隠れて営業していることが管理会社や近隣住民に通報された場合に摘発されます。
摘発店の特徴3. セラピスト写真の露出度が高い
男性客の興奮をかき立てるような露出度が高い写真を載せているお店は警察に目をつけられやすいです。メンズエステはあくまでもリラクゼーションを提供するお店であるはずなのに、マイクロビキニなどの露出度が高い衣装を着て施術をするのは明らかに怪しいと思われます。
摘発店の特徴4. オーナーが性的サービスを強要している
オーナーがお店を繁盛させるために性的サービスをするようセラピストに指示しているケースもあります。「性的サービスをしないとリピートが取れない」「性的サービスをしたほうが稼ぎやすい」など上手くセラピストを誘導して違法行為を行わせている悪徳オーナーが存在します。
摘発店の特徴5. ネット上での書き込みが多い
ネット上の掲示板や口コミサイト、SNSなどを警察はチェックしています。セラピストがTwitterなどで性的興奮をかき立てるような過激なアピールをしている場合にも疑いがかけられます。その中で違法行為をしている書き込みが多い店に潜入調査に行きます。
摘発店の特徴6. 暴力団との関係が疑われている
暴力団に対する規制が強化されたこともあり、警察は暴力団の排除に力を入れています。そのため暴力団がバックにあるメンズエステは摘発対象になりやすいです。
セラピストが摘発を回避する方法
メンズエステセラピストができる摘発回避法を解説します。
誤解を招くアピールをしない
Twitterや公式サイトの日記などで過激な性的アピールをしていると警察に疑われる可能性が高くなります。多くのお客を呼ぼうとアピールするのはいいことですが、あまりにも露出度が高い衣装やセクシーアピールをするのは控えたほうがいいでしょう。
Twitterや日記に書く文章も性的サービスを匂わせることはやめたほうが無難よ
性的サービスをしない
メンズエステでお客に性的サービスを強要されることはよくあることです。しかし、決して応じてはいけません。お客がネット上に書き込みをするなどして噂が広がり、お店が摘発対象となる可能性があるからです。
性的サービスを要求されても、きっぱりと断る態度を見せることが重要なの
誓約書を書いてもらう
あらかじめ誓約書に署名してもらうことも有効です。お客による禁止行為があった場合の注意事項を記載することで、お店側は性的サービスを容認していないことを示せるからです。
誓約書に署名していたにも関わらず禁止行為があった場合、お客が「強制わいせつ罪」に問われる可能性があります。
まとめ
メンズエステの摘発事例をご紹介しました。一部のメンズエステ店では、違法な性的サービスを行っているのが実情です。
性的サービスが発覚して摘発された場合、お店は営業停止になり、経営者は逮捕されます。セラピストも事情聴取をされる可能性があるでしょう。
メンズエステのように男性にマッサージを提供する仕事として「風俗エステ」という業態があります。風営法の届け出をしているので、今回のような摘発の可能性が低いです。
ヘルスサービスを前提として働くのであれば、違法店ではなく、合法のお店を選びましょう。風俗エステでは、基本的に手を使ったサービスのみ。マッサージ関係で仕事をお探しの女性は、風俗エステも検討してみてはいかがでしょうか。