プロフィール
長瀬みずな
東京都出身。高校卒業後は軽作業の派遣社員をしていたが、金銭面での余裕を求めて3年前から風俗で働き始めた。一瞬だけホテヘルに勤務をしていたが、自分が受け身にまわる仕事が合わず、責める側として働ける当店に入店した。趣味は料理で、休みの日にはスイーツ作りにいそしんでいるとか。得意なものはシフォンケーキだそうだ。
このインタビューのポイント!
- 男性経験ゼロで飛び込んだ風俗業界
- 心のかよった男性スタッフと安心を与える女性スタッフ
- お客様の願望を解放してあげることが私たちの仕事
『ママとお姉さん』は、鶯谷のM性感ヘルスのお店。お客様は受け身の男性であるため、サービスの主導は女性側に有るのがM性感の特徴。M性感といっても特別な難しいテクニックは不要。「男性を可愛いと思える」「感じている男性の顔を見るのが好き」という人にはうってつけの仕事内容だ。そのため、在籍女性の大半が未経験からスタート&即日体験入店。さらに当店ではスタッフ全員からのフォローがしっかりとあり、働く上での安心感も高い。完全分煙の個室待機所完備という点からもスタッフからの心遣いが伝わってくる。今回はキャストの長瀬みずなさんに、お店の魅力をじっくり聞かせていただいた。
男性経験ゼロで飛び込んだ風俗業界
――長瀬さんは、前職はどんな仕事をしていたのですか?
主に軽作業の派遣社員で、仕事内容はその時によってまちまちな感じでした。同じ派遣元で長く続けていたのですが、交通費が半分しか出なかったり、たまに給料が貰えなかったり、今思うとかなりブラックなところでしたね(笑)。実家暮らしだったので、何とか生活できてはいましたが。
――1ヵ月でどのくらいのお給料を貰っていたのでしょうか?
日給7000円くらいの仕事で、だいたい月に15万円ほどでした。実家に月4万くらいは入れていたので、スマホ代や貯金を考えると、自由になるお金は本当に僅かでしたね。なので、派遣とかけもちできる仕事を探して辿り着いた先が風俗だったんです。
――こちらのお店には入店して3年だそうですね。以前も風俗のお仕事はされていたんですか?
本当に一瞬だけですが、ホテヘルに在籍していたことがあります。ただ、そのお店はごく普通のヘルスで女性側が責められることが多かったんですよ。なんとなく自分には合わないな、と感じている時に、『ママとお姉さん』を見つけて思いきって入店をしてみました。
――やはり、仕事内容が男性の方が受け身になるM性感であることは大きなポイントでしたか?
そうですね。「体への負担が少ない」という話を聞いたので、その点についてはとても惹かれました。初めての性体験が遅かったので、男性に責められることに慣れていなかったのも大きかったんじゃないかと思います。
――初体験が遅かった、というと幾つくらいの時の話ですか?
27歳です。ちょうどホテヘルで働き始めた後、プライベートで初体験をしました。
――つまり、男性経験ゼロの状態で風俗入りしたってことですか!? それは驚きです。よく風俗で働くことを決意できましたね。
だからこそ、純粋に性に対する興味が強かったんだと思います。本当に自分の周りに男の人がいない環境がずっと続いていて、お化粧にも興味が一切ありませんでした。この仕事をし始めてから、女性らしく外見を飾ることを心掛けるようになったので、プライベートでも恋愛ができたのではないかと思っています。
――でも、男性経験が少ないのであれば、自分が受け身でいられる前のお店の方が向いていると普通なら考えそうなところですよね。
だからこそ、男性はどうしたら喜ぶのかをもっと知りたい気持ちがあったんですよ。自分がされるよりも、することで得られる驚きや楽しさを味わいたいと思いました。
――なるほど。実際に働き始めてみてどうでした? 自分には今のお店の方が向いていると思いましたか?
そうですね。想像していた以上に楽しいです。ここに入って良かったと思うことの一つが、お店の客層なんです。お店のお客様は、女性の下着をつけて来る方や、変わった性感帯を持っている方、イメージプレイが大好きな方など、ちょっと普通とは違う性癖の男性がほとんど。個性的だけど優しい方ばかりなので、彼らとの出会いにワクワクしながら働いています。
心のかよった男性スタッフと安心を与える女性スタッフ
――派遣社員のお仕事は、今も続けられているのですか?
入店当時はかけもちで働いていたのですが、指名のお客様がつくようになってきたので辞めてしまいました。ブラックな会社でしたし、こっちで稼げるならもう行かなくてもいいかなって。
――派遣の給料は月15万円とのことでしたが、現在はどれくらい稼いでいるのですか?
私は出勤が1ヶ月で15日くらいなんですが、だいたい月40~50万円くらい、繁忙期では70万円を超えますね。月によって多少の増減はあるのですが、十分満足しています。この前も1日6万円になって、帰りの疲れも一気に吹き飛びました。明日も頑張ろう~!って。
――お店のスタッフさんはどんな方ですか?
ここに来る前は風俗のスタッフって、商品としてしか女の子を見ていない男性たちばかりなんだと思い込んでいたんですけど、まったくそんなことは無く。心のかよった対応をしてくださいますね。相談事にも真剣に応じてくれます。
――こちらには女性スタッフさんがいると伺ったのですが。
はい。私がお店にWEBから問い合わせをした際にやりとりをさせてもらったのがその人だったんですが、スタッフに女性がいることがこんなに安心感に繋がるのかとビックリしました。実は応募の時点では入店にまだ迷いがあったのですが、その人にLINEで悩みや不安を打ち明けたら、それに誠実に答えてくださったんです。M性感の仕事がどんなものであるとか、給料のシステムについてなんかもすべて正直に話してくれたので「ここなら大丈夫」だと確信できました。
――やはり、スタッフに女性がいるとお店の雰囲気って違いますか?
違うと思います。以前のお店は男性スタッフのみだったんですが、店長と現場のスタッフと女の子たちとで意思の行き違いが本当に多かったんです。今のお店だと女性スタッフがそれぞれの立場を考えてくれていて、伝え方ひとつとっても波風が立たない様に柔らかく噛み砕いてくれるので……。そのあたりが女性ならではだなって思います。
――待機所の様子についても聞かせてもらえますか? こちらは全員が個室待機なんですよね。
そうです。待機所は2ヵ所あって、喫煙と禁煙で場所が別れています。個室がけっこう広めで、大きめの荷物を置いてもゆったり寛げるくらい。
――ほかのキャストさんとお会いすることはあるんですか?
本当にたまに廊下ですれ違う程度ですね。顔を合わせる機会がまずないので、周りに気を使う必要は一切ありません。特に私はお客様と会う前はひとりで集中したい方なので、この個室の体制にはとても満足しています。
お客様の願望を解放してあげることが私たちの仕事
――長瀬さんが稼ぐためにしている工夫などあれば教えてもらえますか?
私の場合は写メブログですね。自分で持っている発信ツールはこれだけなのですが、自分の言葉でお客様に伝えることがこんなに有効だとは、始める前は思いませんでした。
――もともとは、そういう発信作業は苦手な方でした?
はい。なので入店してから数カ月は完全に放置していましたね(笑)。でも、時期もあったと思うんですが稼ぎがいまひとつ停滞気味の時に、お店から「ブログを書いてみようよ」って提案されたんです。
――きっかけは、お店からのアドバイスだったわけですか。
そこまでガチガチの長文ではなくていいとのことだったので、疑い半分でやり始めたのですが、これが意外にも集客にちゃんと繋がりました。出勤日には必ず書くようにしたら2年くらい見続けてくれた方が、この前ようやくお店に来てくれたりもして。続けることの大切さを痛感した次第です。
――ちなみに、どんな内容で書くとお客様からの反響が大きいですか?
可能なプレイについて書くと、必ずと言っていいほどそのプレイを好きな方が新しく来てくれますね。先ほども言ったように、うちのお店のお客様はちょっと変わった趣味趣向の方が多いので、それを受け入れてくれる人を人一倍真剣に探しているんでしょうね。
――だからブログを見て合致するとすぐに集客に繋がるわけですね。
お客様のふだん言えないけれどやってみたいことを解放させてあげるのが私たちの仕事です。でも、女性主体でサービスをするとは言っても、思っていたより体力を使わない日は多いんですよね。
――そうなんですか? もっと肉体的にハードな面もあるのかと思っていました。
あくまでも私の場合は、ですけど。ただ甘えてくるだけの人は割合的にはかなり多いです。あと、一緒にAVを見るだけとか、それを見ながら耳かきしたり膝枕したりとか……。まあ、実を言うと私自身がMっ気の強い方で(笑)、ここではそういうSじゃない女性も求められるんだなぁっていうのが新鮮な発見でした。
――確かに、長瀬さんって責めるタイプにはあまり見えないですよね。良い意味で普通のお姉さんですし、風俗に染まっている感じがない。それでも3年も続けているからには、肌に合った部分はあるんでしょうね。
「なんで、この仕事をしているの?」とか「風俗のイメージがない」とは未だによく言われます。でも、私自身はすっかりこの仕事にハマってしまっているんですよ。ここで働き始めてからは毎日が新しい発見の連続で、今まで目にすることのなかった面白いことでいっぱいで。この経験を人生の糧にしながら、稼いでいけたらいいなぁと思っています。
- 取材・文=もちづき千代子(@kyan__tama)