コンセプトは不倫体験。出会う前の緊張感は女性だって同じ

オフィスに足を踏み入れた瞬間、あまりの素敵な空間に驚いた。通常当たり前のように置いてあるホワイトボードや備品など、風俗店の要素はひとつもない。パソコンすら見えない。会議室まで用意されており、今どきの優良企業といった印象だった。

山手線エリアを網羅し、人妻との出会いと不倫体験をコンセプトにする『出会い系人妻ネットワーク』。なかでも今回紹介する品川・東京編は、その名のとおり品川近郊が拠点。新宿や渋谷などの繁華街とはまた少し異なり、清楚系な人妻との出会いを求めるお客様の割合が多い。
在籍キャストは未経験の主婦が中心。もちろん不倫のドキドキ感を演出できれば独身もOK。風俗慣れしていないピュアな女性が多く、不倫を密かに楽しみたい既婚者や、人妻に憧れる未婚男性を虜にしている。

今回お話をお聞きした穂香（ほのか）さんは、いたって普通の主婦。人気キャストなだけに、やはり女性らしい柔らかな雰囲気と、飾らない明るさ、そして嫌味のない“程よい色気”が共存していた。

わが子の障害が発覚し、パート主婦から風俗嬢へ

――穂香（ほのか）さんは主婦だそうですが、このお仕事をする前は専業主婦だったのでしょうか？

高校を出て、会社員として勤務していました。結婚をし、出産のため会社を退職。そのあと生まれた子どもが難病を抱えていることが発覚したんです。幼い我が子は、病院で過ごす毎日。再就職どころではなくなってしまい、近所の本屋さんや飲食店でパートをしていました。

――そうでしたか。それは苦労なさったんですね。

主人の収入とパートだけでは生活も厳しくなってきたので、もっと収入のよい仕事はないかと、探しました。水商売は夜なので、どうしても家庭があると難しくて。そんなときに、友人が「風俗はどうか」と言ってきたんです。私のなかで、この年齢だし、主婦だし、風俗という業種は全く想定外でした（笑）。
でも、主婦でも働けるというか、人妻にニーズがあることを知って、思い切って飛び込んでみたんです。
そもそもお店の営業時間が10～20時なので、主婦には働きやすいと思いますよ。

――仕事の休みの日や空き時間に主婦と情事を楽しむ、というコンセプトがあるから、深夜営業する必要はないんでしょうね。

主婦は夜に家を空けられないですからね（笑）。男性側も夜20時くらいであれば、少し残業したといえば全く問題ないでしょうし。

――現在はどのような勤務形態で働いているのですか？差し支えなければ収入額も教えていただけますか？

昼の12時から18時までの6時間で、1日4万円くらい。ペース的には週2～4日程度で月40万円くらいの収入です。

――お子さまの看病をしながらだと、いくら収入がよくても出勤をあまり増やすのも難しいですよね。

はい、月に40万円くらい稼げれば備えとしては安心です。子どもが第一なので、自分の体調も考慮し、絶対に無理はしないように働いていくつもりです。

足を運ぶことで気分もあがる素敵なオフィス

――それにしても、こちらのお店はオフィスがすごいですよね。綺麗でびっくりしました。

私も面接に来て驚きましたよ（笑）。普通の会社ですよね。他のお店も面接に行きましたけど、ここまで綺麗な事務所はなかったです。

――本当に、雑然とした場所がひとつもないですよね。

しかも、仕事が終わってここに来るとスタッフの方が椅子を引いてくれるんですよ。椅子に腰かけるとき、高級レストランだと店員さんが椅子を引いてくれますよね。あれです。さらに、夏はいい香りのする冷えたタオルを出してくれるんですよ。冬はあたたかなタオル。

――キャストさんへのそんなサービス初めて聞きました。お姫様気分になれそう。

そうそう、だからオフィスに来るのが楽しみでもありますね。やっぱり仕事で疲れることも多いので、ふっと息が抜ける空間というか。赤坂という立地も全く風俗っぽくないじゃないですか。リラックスできる場所です。

――ほかのお店に面接に行ったそうですが、こちらに決めた理由は何だったのでしょう？

最初は、ホームページを見て「綺麗なサイトだな」と思いました。例えば、店名が卑猥な感じだったり、エロを全面に出しているようなところは抵抗があったんです。ごく普通なところに好感を抱きましたね。

――なるほど。たしかに下着姿の写真もないし、ギラギラした感じは一切ないですね。まさに大人の出会い系っていうイメージでしょうか。実際にお話しを聞いた印象はいかがでしたか？

一番の決め手になったのは、嘘がなかったことです。他のお店は、広告に書いてあることと説明が違ったんです。いきなり違う店を紹介されたり。ここはすべて広告に書いてあるとおりでした。スタッフの方も皆さん腰が低いし、きちんとスーツを着ているし、印象が良かったんです。

あとは、バイブなどのおもちゃを自分で持ち歩かなくていいこと。新品のものをお客様側で用意をしていただく決まりになっているので、自分が用意しなくてもいいんですよ。いつ家族にバッグの中を見られるかわからないですからね。

女は褒められて綺麗になる生き物

――ではお店で働き始めて、働きやすいなと思う点を教えてください。

お店側が女性に対してすごく丁寧に扱ってくれるんですよね。接し方もそうですし、働き方も同様です。待機場所は、近隣であればカフェでもどこでも大丈夫なので、私は結構ウインドウショッピングしたりしていますね。短時間の出勤でも快く受け入れていただけるんです。1～2週間休んでも何も言われないので、本当に気がラクですよ。

――子育てをされている主婦だと出勤時間に変更も出てしまうでしょうしね。

自分の好きな日、好きな時間に出れるというのは、普通のパートでは考えられないですからね。自分のペースで働けるということは、長く続けるうえですごく大事だと思います。

――客層はどんな方が中心ですか？

キャストさんのキャラクターや年齢で異なるのでしょうが、私の場合は50代、60代の方が多いですね。紳士的な男性ばかりです。

――穂香さんはどんなキャラクターなんでしょう？

最初は素をあまり出さずに女性らしくというか、コンセプトに合うように繕っていたのですが、だんだん難しくなって今は地でいっています（笑）。いろいろとズバズバ言ってしまうんですけど、逆にそれが良いようで「友達として出会いたかった」なんて言っていただけますね。楽しくデートしています。

――やはりお客様とはいえ、男性に気に入られるのはうれしいものですよね。

本当に。例えば服装や髪形なんかを変えると、それに反応してくれるわけですよ。褒められるって、こんなにうれしいんだ、って思いますね。
主人なんて私を女として見てくれないですから。たまにスカートを履けば「そんな恰好でどこに行くの？」、マニュキュアを塗れば「それで飯を炊くの？」と。

――それはひどい。長年連れ添ったとはいえ、ちょっと悲しいですね。

そうなんですよ。でも、ここはスタッフさんもお客様も自分の変化を見てくれるんです。女性は褒められたい生き物なんだな、って思いました。褒めてもらえると、どんどん綺麗になる気がします。

――よくわかります。褒めてもらえないとどんどん老けていきそうです（笑）

そうそう、自分の努力を見てくれる人がいる環境っていうのは、女性にとってやっぱり必要ですね。

――では最後に、このお仕事の魅力を教えてください。

さまざまなお客様と接することで人に優しくなりました。ちょっと変わった人もくるし、嫌だなと思う人もくるけど、皆さん悩みやストレスを抱えていたり、それを癒したくて来ている方ばかりなんですよね。そう思えるようになって、自分の気持ちが大きくなった気がします。
威圧感のある方が実はものすごく優しい方だったりして、人は見た目では判断できないことも学びました。
裸の付き合いだからこそ伝わるものがあります。風俗は奥が深いですよね。