プロフィール
萌えちゃんねるグループ(新宿)/萌えちゃんねるグループ
こばと
埼玉県出身。高校を卒業後、大学に進学したものの現在は休学中。男性経験は過去ひとりだったが、お金を稼げるなら、と思い切って風俗入り。稼いだ給料は、今後行う予定の整形費と、ひとり暮らしに充てる生活費に使用。休みの日はオタクらしくアニメ、漫画に浸っていたが、最近は実のお姉さんとふたりで料理教室に通い始めたそう。みんなで作って、みんなで美味しく食べる幸せを噛みしめている今日この頃。
このインタビューのポイント!
- 男性経験はひとり。整形費用を貯めるため風俗入り
- 約600着のコスプレに毎日ワクワク
- アンケート結果を踏まえ具体的なアドバイスをくれる
新宿店のオープンから13年目を迎えた『萌えちゃんねるグループ』。新宿エリアだけで、なんと9店舗。アニメやゲーム、メイドなどのコスプレや、黒髪、未経験、人妻といったフェチ系をコンセプトに、マニアから圧倒的な支持を集めている。
今回取材に伺ったのは、グループ1号店のデリヘル店『萌えちゃんねる新宿』。ここは、二次元の世界にいるはずのキャラクターが、リアルなコスプレ衣装を着てエッチなデートを繰り広げるという、オタク心をくすぐる夢のような世界だ。
キャストのこばとさんは、アニメと漫画が大好きな女の子。整形費用と生活費のために思い切って入店したが、予想を上回る楽しさに、毎日がワクワクだとか。
とはいえ、働くうえで、必ずしも全ジャンルに詳しい必要はない。アニメでなくても、格闘技や車など、何かの分野でオタクっぷりを発揮できる子を採用しているそうだ。
現にお客様も「コスプレをしている子が好き」なだけで、キャラクターに詳しくない方も多いという。「個性的でかわいい衣装を着たい!」と思ったら、一度コスプレ店を検討してみてはいかがだろう。
男性経験はひとり。整形費用を貯めるため風俗入り
――こばとさんは現役の大学生とお聞ききしましたが。
はい、でも実は現在休学中なんです。理由は、お金を一気に貯めたかったこと。あとは、進路について悩んでしまい、他の大学への再入学も検討したり。でもいろいろ考えた末、結局また同じ学校に戻ることに決めたんですけどね。
――お金を貯めたいと思った理由は何なのでしょうか?
顔を全部整形したいのと、大学入学と同時にひとり暮らしを始めたので、生活費のためですね。毎月15万円くらいは生活費として使うので、それとは別に整形費用250万円を貯めるつもりです。
――全顔ですか?十分今もかわいいのに、なんだかもったいないですね。
ありがとうございます(笑)。でももっとかわいくなりたいんです。
――女心ですねぇ。で、進路の方向性は定まったんですか?
はい、なんとなくですけど。友達のサプライズとか、イベントなんかを企画するのが好きなのでプランを立案するような仕事に就きたいです。例えばブライダルプランナーのような。ほかに最近は料理学校にも通っているのですが、管理栄養士にも興味があって。もちろんただ資格をとるだけでなく、これも自分で何か企画をしていきたいなと思っています。
――で、休学しているうちに一気に整形費や生活費のためのお金を風俗で稼いでいるわけですね。それにしても、こばとさんはまだ若いし、男性経験もそこまで多くはないのでは?
付き合った彼はいままでひとりだけです。男性経験もその人だけ。最初はキャバクラでバイトをしてみたんですが、お酒に弱く、体力的に続かず3か月くらいで辞めました。「他に稼げそうな仕事は風俗しかない!」と思い、いくつか候補に入れて。もちろん経験が少ないので、不安はありましたが、“整形したい欲”のほうが高かったんで覚悟を決めました(笑)
――風俗店を探す際、最初からこういったコスプレ系の店を探してたんですか?
お店を選ぶ際は2~3店は見ようと思っていましたが、コスプレ系はここだけでしたね。興味はあったけど、絶対条件がコスプレなわけではありませんでした。でも、最初に面接に来たのが、このお店だったのですが、スタッフの方の対応がすごく良かったんです。働きやすそうな雰囲気が気に入ったことと、コスプレの数がすごかったので即決しましたね。
約600着のコスプレに毎日ワクワク
――こばとさんは普段コスプレイヤーだったりするのですか?
いえ、高校時代秋葉原のメイド喫茶でバイトをしたことはありますが、コスプレイヤーではありません。アニメと漫画好きな普通のオタクです(笑)。でも、コスプレイヤーさんには憧れていたので、いろんな衣装が着れてすごく楽しいんですよ。
コスプレは600着くらい用意されていて、毎日違う服を着ています。しかも「え、こんなものまであるの?」というようなマニアックなキャラまであってびっくりしました。
――アニメに全然詳しくないんですけど、参考までに教えてください。
私が好きな「妖狐×僕SS(いぬぼくシークレットサービス)」に興奮しました(笑)。あとは「魔法科高校の劣等生」とか。本当に好きな人にはたまらない本格的な衣装が揃っているんですよ。
――すみません、やはり知りませんでした(笑)。やはりお客様も相当なマニアな方が来店されそうですが。
もちろん、そういう方も多いですが、アニメやゲームを全然知らない方も来るんですよ。ただかわいいコスプレ衣装を着ている子を見たい、っていう男性も多いんですよね。そのキャラが好きなお客様であっても、キャラになりきる必要は全然なくて、衣装だけで萌えてくれます(笑)
――600体のキャラになりきるのは無理ですしね(笑)。お客様の年齢層はいかがでしょう?
大学生から50歳代まで幅広いですね。コンセプトがしっかりしているので、コアなリピーターさんもすごく多いです。
――例えば、接客時に自分なりのサービスだったり、意識して気を付けていることはありますか?
シャワーのあとにコスプレ衣装に着替えるのですが、できるだけツインテールやポニーテールなど、お客様に好きな髪型を聞いてアレンジしています。あとはそのアニメやゲームの話をしたい方が多いので、話をたくさん聞いたり、盛り上げるようにしていますね。
――日常生活でなかなか話が合う人もいないでしょうし。
そうなんですよ。オタクの女の子とおしゃべりすることがすごく楽しいみたいです。私もオタクなので、素で楽しんでいます(笑)。時々、自分が知らないアニメや漫画の話が出ますが、メモをして次回までに見るようにしています。そうすると喜んでいただいて、話も盛り上がるし、また次につながりますしね。
あとは、基本プレイを時間内でなるべく取り入れるようにしています。たくさん楽しんでいただきたいし、何が好きかも、いろいろと試すことでわかるので。
アンケート結果を踏まえ具体的なアドバイスをくれる
――話も合うし、楽しんでお仕事をされているようですが、辛いなと思うことはありませんか?
今はそこまで低い評価はないのですが、やはり最初の接客では、お客様アンケートの評価もよくなかったです。素股があまり上手くなかったようなことを書かれた記憶があります。やはり最初はショックでしたが、そういう意見を聞けることで「よし、次は頑張ろう」って思えました。
――アンケート結果はキャストさんにもフィードバックされるんですね。
はい。このお店のスタッフさんを信頼している理由のひとつに、親身にアドバイスをくれることが挙げられます。アンケートで80点だったら、点数としては悪くはないですよね。でも、お客様に「足りない20点は何か」を聞いてくれるんです。それを元に「もっとこうしてみたらどうだろう」と具体的にアドバイスをくれるんですよ。
――なるほど。不足の20点をプラスに変えるように仕向けてくれるわけですね。
でも、こばとさんは、とても明るいし、かわいらしいし、礼儀正しいですけど、どんなことを言われるのですか?
どうやら言葉遣いや、接客が丁寧すぎて、それが逆にまじめな印象を与えてしまうようで。スタッフさんからはもっとフレンドリーに、甘えることを意識するようにアドバイスをいただいたんです。
――確かに、10代とは思えない敬語の使い方と、甘える要素が共存できたらもっと人気嬢になるでしょうね。
きちんとした言葉遣いをするのは、社会に出たら当たり前だと思っているので、甘える技術を頑張って習得していきたいですね(笑)
――また復学が決まっているそうですが、しばらくこの仕事を続けるのですか?
休みの日や学校帰りに出れる日は出ようと思いますね。仕事も楽しいし、辞める理由も特にないですし。お給料もたくさんもらっているはずなのに、うまく貯金ができていないので、管理もしっかりしないとと思っています(笑)。
――そうなんですか。差し支えなければお給料の金額も教えていただけますか?
週5日、1日だいたい7時間程度勤務しています。生理のときは1週間休みますので実質3週間の出勤で、月50~60万円くらいの収入ですね。ひとり暮らしとはいえ、貯金ももっとしていかないと、と思っています。
――風俗未経験で入った場合、テクニック面での不安はなかったですか?
講習もありましたけど、経験が浅いビハインドは、経験を繰り返していくしかないんですよね。私も入店前、かなり情報を調べたし、動画も見まくりましたが、結局何をしようと、実践には適いませんでした。
――本当にその通りですね。では最後になりますが、このお店で働いてよかったと思うことを教えてください。
「癒されたとか、楽しかった」という言葉が、こんなに嬉しいものなんだ、ということを初めて知りました。そしていつも元気に声をかけてくれるスタッフさんが頼もしいです。
頑張った分だけ必ず収入として返ってくるし、学生でも大金を手にすることができるのはこの仕事だからこそ。何か目標や夢があるなら、思い切ってトライしてみるのがいいと思います。
- 取材・文=みやねぇ(@mikke_story_myn)
- 撮影=伊藤メイ子