学費のために飛び込んだ初めての風俗。一番大切なのは「安心感と安全性」

名実ともに風俗業界を代表するファッションヘルスチェーン「ハレ系」。ジャンルも幅広く、経験の有無や年齢だけでなく、コンセプト店も多数あるので、必ず自分にあったお店が見つかるだろう。

今回は、埼玉の風俗街にある人気コスプレ店『メイドin西川口』へ。駅から数分。ハレ系の店舗だけが集結するビルは圧巻。この地でも、大手グループの存在感を再確認した。

店内はとても綺麗で、童話の世界に紛れ込んだかのような可愛らしい装飾もたくさん。出勤後、仕事の準備を整えるキャストさんの姿を何人か見ることができたが、どうやらさまざまな種類の衣装があるようだ。

取材した加納雪乃さんが着用していたのはブルーのメイド服。自分の好きな衣装を毎日選ぶことができるそう。実は特にコスプレ好きなわけでなかったが、立地と店舗型、そしてグループ店という理由で入店したのは3年前。最初はメイドプレイにも照れがあったが、自らが楽しむことを覚えたら途端に指名も増えたという。

一度は退学。再び学ぶため自分で学費を稼ぐ

――雪乃さんは現役の学生さんだそうですね。

はい。大学入学を機に、実家の栃木を出てひとり暮らしを始めました。
大学へは目的があって入ったのですが、先生の指導方法が合わずに退学してしまって。その後、やはりまた学びたくなったので、今は夜間の医療系専門学校に通っています。

――この仕事を始めたきっかけは、学費のために？

そうです。最初の大学は親に出してもらったんですが、さすがにもう頼れないし。だったら自分で何とかするしかないと思い風俗業界に入りました。

――うーん、確かにそれはそうかも。医療系だと結構学費も高そうですよね。

年間200～300万円はかかりますね。奨学金もあるのですが、結局それも将来返さないといけないので。

――風俗業を選ぶことになったのは、なぜですか？

最初はファミレスで働いていたのですが、時給が安いうえに、めちゃくちゃハード。バイトなのに全然休ませてくれなくて、休もうとすると険悪ムード（笑）
デリヘルで働いていた友達がいて、いろいろ話を聞いているうちに私もやってみようかなと。時間も出勤も自由で、給料がいい仕事は他にないですから。
でも、デリバリーは怖いなと思っていたので、やるなら店舗型と決めていました。

――「怖い」と思ったのは、どんな点ですか？

まず身バレです。待ち合わせとか、ホテルから出てくるころを絶対に知り合いに見られたくないですし。あとは、やはりどんなお客様なのかわからないのに、スタッフさんと離れた場所で会うことに抵抗がありました。なにせ初めての風俗なので、とにかく安全性を第一に考えましたね。

――とくに最初の風俗は、慎重になりますよね。それで店舗型のお店でいろいろ探したわけですね。

そうなんです。今は埼玉県内でひとり暮らしをしているのですが、大宮や都内の主要駅だと誰かに会いそうだし、ここは自宅から1時間くらい離れているので距離感もちょうどよかったんです。有名なグループ店ということも安心感があったので、決め手のひとつになりました。

――学校に行きながらのこの仕事だと、日中のみですかね。出勤ペースとお給料を教えていただけますか？

出勤に時間は朝9時半のオープンから15時までです。収入は週4回の出勤で月に40～60万円くらいですね。この時間帯でもお客様はたくさん来ますし、学費と生活費を払いながら、貯金もできますし、十分満足しています。

コスプレに興味がなかった私が、メイド服を着るなんて！（笑）

――こちらのお店はコスプレ店ですが、そもそも興味があったのでしょうか？

元からコスプレには全く興味がなくて（笑）。単純に、西川口に複数ある「ハレ系グループのお店で働きたい」と思って電話をかけて面接へ。お姉さん系や人妻系などのお店があるなかで、一番ここが合うだろうって、おすすめされたのがメイドのコスプレ店でした。働いた今でもコスプレの趣味はないです（笑）

――そうなんですか。こういうお店で働くキャストさんはみんなコスプレ好きかと思っていました。特に興味もないのに、メイドさんになりきるってすごいですよ。

「ご主人様」なんて普通言わないですよね。最初は口に出すのも恥ずかしかったです（笑）。でも、衣装に関しては、いろいろなコスプレ衣装のなかから自分が好きなものを着れるし、かわいいものばかりなので、実際に着てみたら「あぁ、これなら大丈夫」って思いましたね。

――でも、短時間で、メイドとご主人様の関係になりきるって、すごく難しそうですよね。

やっぱり慣れですね。入店したばかりの頃は役に入り込めなくて、お客様に怒られたこともあります。「こっちも役に入り込んでるんだから、ちゃんとやって」って（笑）。そこから反省して、自ら楽しむことを意識するようにしたら、どんどん指名が増えていったんですよ。絶対に気持ちって、相手に通じるんだなと思いましたね。今では役作りも楽しく感じます。

――プレイの流れを具体的に教えてください。

まず、メイドとご主人様になりきる「メイドプレイ」と、いちゃいちゃを楽しむ「恋人プレイ」の2つのコースがあるんです。これは、最初に受付でオーダーシートを書いていただいて、選んでいただきます。このオーダーシートは、細かい要望なども書けるようになっています。これがあるとお客様の意向が最初にわかるので、すごく便利なんですよ。

――口にするのが恥ずかしいような要望も、紙に書いて渡せるんですね（笑）

あはは。そうですね。「仁王立ちするから、そのままフ〇ラをしてほしい」、っていう要望もとか（笑）。シャワーは一緒に浴びず、あくまでもそこはメイドとして、防水のエプロンをつけてお客様を洗って差し上げます。そのあとはお客様の要望に合わせてヘルスサービスに入ります。

――割合的にはメイドプレイと恋人プレイ、どれくらいになりますか？

実際はメイドプレイより、恋人プレイのほうが多いんですよ。特にコスプレ衣装も着なくていいって言われることもあるくらいです。距離を感じるらしく、かしこまってしまうそうで。

徹底的な禁止事項の周知は、抑止力抜群

――メイドプレイを希望されない方が多いのは意外でした。では客層も、あまりオタクっぽい方はいないのでしょうか。

私のお客様しかわからないですが、いたって普通の会社員が中心だと思います。きちんと会社勤めをされていて、家庭を大事にしてるいいお父さん、って感じ。
だから、お客様も私と同じように、誰かに見られることを防ぐため店舗型を選ぶのかな、と思います。

――そういうお客様なら、危険な目に遭う可能性も限りなく低そうですね。

そもそもスタッフさんがすぐそばにいますしね。あとは、受付で、禁止事項の確認後、署名をしてもらいます。部屋に入る前もスタッフが再度読み上げて念押し、さらにベッドの横に注意書きが貼ってあるんです（笑）。ダメ押しで、枕元に大きな非常用ボタンがあるので、これもお客様にとって抑止力バツグンだと思います。

――これでもか、ってくらい禁止事項を伝えるんですね（笑）

そうなんですよ。しかも常連さんでも毎回欠かさずです。こうしてくれるだけで、働く側としてはやはり安心できます。実際にトラブルは今まで一度もないですね。

――雪乃さんはここで働いていて、もう4年目を迎えるわけですよね。やはり居心地がいいからだと思いますが、今までお話しをしていただいた以外に、気に入っている点があれば教えてください。

アンケートかな。お客様がお帰りの際、簡単なアンケートをお願いしているんです。最初は評価されるのはイヤだなと思ったんですが、いい接客ができていれば、だいたい皆さんいい点数しかつけてきません。でも、点数が低かったりすると、お客様と絶対に何かあったはずですよね。スタッフさんがそのアンケートから変化を見つけて、声がけしてくれるんです。

――点数は、プレイの評価というより、ほかの別の問題が隠れている可能性があるわけですね。

接客がよくなかったとか、何か気に障ることをしてしまったとか。そういうことでお客様の評価が下がるじゃないですか。「何かあった？」ってすぐに声をかけてくれるんです。マイナスなことだけでなく、いい点数やコメントも、もちろん褒めてくれます。スタッフさんが声をかけてくれること以外でも、お客様からのプラス評価は、自分のモチベーションにつながるので、アンケート制度は気に入っていますね。

――最後の質問です。将来は、医療系に就職されると思うのですが、このお店にいる間、自分はどう成長したいと考えていますか？

本指名のお客様に頼っていて、新規を増やす努力をしていなかったなと最近反省していたんです。自分のお客様は、年配の方が多く、もう馴染みの方ばかりなので写メ日記をあまり見てくれていなくて。でも、それだといつまでたっても指名の方しか来ないし、指名の方が来なくなってから何か行動するのでは遅いんですよね。

学校を卒業するまであと2年。しっかり新規さんにもアピールして、お客様も自分も、今まで以上に楽しい時間が過ごせるよう、頑張っていきたいと思います！