プロフィール
吉沢
愛知県出身。映像制作の仕事に憧れ、下積みのためAV制作へ着手。しかし、当時交際していた彼女との婚約を機にアダルト業界を離れようと不動産の営業へ。その後、婚約が破談し、離職したところ友人から声をかけられ、同店のスタッフとして入店する。尊敬する映画監督はドキュメンタリー監督の松江哲明氏。
このインタビューのポイント！
- 入店までに講習10時間が必須なワケ
- 大切なのは一生懸命さを接客で伝えること
- セラピストを輝かせるため、スタッフが誠心誠意のサポート体制
都内に2店舗を出店し、ハイクラスな客層に向けて上級の癒しを提供する風俗エステ『アロマグランデ品川』。サービス内容は本格的なアロマオイルマッサージと回春性感マッサージのみで、オプションも顔や手足などの一般的なマッサージのみ。セラピストは客に不要な肌を見せることは一切なく、非常にソフトな内容なので未経験からも始めやすい。その分、徹底したクオリティのサービスを提供するために、仕事に就くまでに10時間の講習を受ける必要がある。
今回インタビューに登場する新人スタッフの吉沢さん。知人に誘われて、講習のモデルとして働き始めたことから内勤スタッフへ転身したユニークな経緯の持ち主だ。モデルらしく、長身でスラっとした吉沢さんにどんな講習を行っているのか聞かせてもらった。
入店までに講習10時間が必須なワケ
――吉沢さんは元々映画監督を目指されていたそうですが、風俗業界に入る以前の経緯を教えてください。
学生時代から、映像制作の仕事に就きたいという漠然とした夢がありました。そんな中、とあるドキュメンタリー作品を見て感銘を受けたんですが、その作品の映画監督が下積み時代にAV制作に携わっていたことを知ったんです。そういうルートもありなんだと、私も数年間AVメーカーで映像制作をしていました。
しばらくして当時交際していた彼女と結婚することになり、家庭を持つためにもっと稼げそうな業界で働こうと、不動産業界の営業へ転職しました。
――不動産営業のお仕事はいかがでしたか？
とにかくノルマが大変なわりに、給料も思ったよりも上がりませんでしたね。しばらくしてからその彼女とも別れてしまったので、いつまでもやりたくない仕事をするのも疑問を持ち、退職してしまいました。
退職後は3ヶ月程ゆっくりしていたんですが、そのときに今のお店でマッサージ講師をしている女性が知り合いで、「講習のモデルをやりませんか？」と声をかけられたんです。
――なんと、最初は講習のモデルだったのですか。そこから内勤スタッフへ誘われたのですか？
はい、彼女と別れて何か打ち込めることを探していたので、縁も感じて心機一転挑戦してみようと思いました。
――モデルからスタッフへの転身は珍しいですよね。こちらのお店は、どのようなコンセプトなのでしょうか？
一般的な風俗エステ店と比べて、当店は富裕層向けの価格設定になっており、マッサージの質の高さがウリのひとつです。というのも、当店では体験入店は行っておらず、採用からお仕事デビューしていただく間に、10時間の講習を必ず受けていただくこととなります。
――10時間も講習があるなんて、かなり本格的ですね。でも、講習が面倒で辞退される女性はいませんか？
面接の8割くらいの女性は業界未経験からスタートなので、まずは接客技術をしっかり取得したいと皆さん意欲的です。
マッサージを開業したい、気軽に習ってみたい方、ソープやデリヘルがつらくてお店を変えたい方などさまざまな女性がいらっしゃいますが、講習はあっても仕事内容がソフトなので、今まで辞退された方はいないですね。
――具体的にはどんなことを習うのでしょうか？
女性講師をお呼びして、上半身を3時間、回春を2時間など部位ごとのマッサージや、簡単なアロマの知識を学びます。仕事を始めるまでの約2日間は講習にあてていただきますが、もちろん時間がなくて早く働きたい方には、1日に詰め込んでスケジュールを組むことも可能です。
講師陣も一般のマッサージの方から風俗経験者の方までさまざまで、お客様が元気になれる接客技術を学んでいだきます。
大切なのは一生懸命さを接客で伝えること
――アロママッサージがメインとのことですが、回春以外には風俗的な要素はないのでしょうか？
はい、当店は風俗店といっても服を脱ぐことがなく、お客様に癒しを提供することがメインとなっています。女性が舐めたり舐められたり、触られるなどのヘルス的なサービスはないですね。接客時もセラピスト用の制服をご用意していますので、接客で私服が汚れることもありません。
――オプションもソフトなのですか？
はい、オプションも耳や手、足裏といった一般的なマッサージばかりですし、それらのオプションも別途講習を受けられますのでご安心ください。
接客時の制服も基本的にはトイレや脱衣所で着替えるので、お客様の前で不要な肌を露出することもないようお伝えしてます。
――そこまでソフトなのに、富裕層のお客様から選ばれる秘訣は何でしょうか？
お客様が一番望んでいるのは回春マッサージだと思うのですが、そこも手コキだけでなく、本当に焦らして高めていくマッサージになっています。講習で2時間分学べますし、手コキもバリエーションが豊富でご好評頂いていますので、そこが他店と差別化されている部分だと思います。
――なるほど、回春マッサージの質に自信があるのですね。そうなると女性のレベルも高そうですが、採用基準も厳しいですか？
容姿よりも、礼儀、所作がキレイかどうかを重視しています。容姿はお客様のお好みがありますので、愛嬌があることのほうが大事ですね。スタイルに関しても、基本的にはスレンダーな方が多いですが、セラピストの身長も145～170センチくらいと幅広いので、そこまで気にされることはないと思います。
――どんな女性だと人気が出やすいですか？
セラピストは18歳～30歳くらいまでで、学生や会社員と兼業されている方が多いです。総じて言えるのは新人でもがんばっていたら本指名につながっていく傾向にあるので、どちらかというと人柄にお客様がつきます。
というのも、お客様にセラピストの顔が見えるのは回春マッサージが始まるコースの終わりだけなんです。そうなると、ビジュアルも大事かもしれませんけど、それよりも愛嬌や会話、一生懸命仕事に取り組んでいる姿に惹かれて人気が出るんです。
――それは分かる気がしますね。何事も一生懸命な人のほうがいいですものね。皆さんどのくらい稼がれていますか？
給与は1日3～4万円、人気の方でしたら7～8万円稼げるので、週平均20万円前後稼げるイメージになります。高級店なので、普通の風俗エステ店よりも給与面は高いのではないでしょうか。
客層も芸能人やスポーツ選手、会社経営者や医者などが多く、ガツガツしていないゆとりのあるお客様が中心なので、変な強要もありませんし、客層は本当にいいと思います。
セラピストを輝かせるため、スタッフが誠心誠意のサポート体制
――接客場所もラグジュアリーな場所が多そうですね。
はい。昼間は私もドライバーとしてセラピストを車で送迎していますが、品川・麻布・六本木などのシティホテルが中心で、ご自宅もタワーマンションの高層階などが多いですね。移動の際は休日にどこへ遊びに行ったとか、どこのお店がおいしいとか何気ない会話をして、女性と積極的にコミュニケーションを図るようにしています。
――そう思われたのは何故ですか？
お客様の電話対応をしていて、電話1本の短い時間で女性のセールスポイントを明確にお伝えしなければいけないと分かったからですね。プロフィール写真から女性のすべてが伝わるわけではないので、スタッフがセラピストの魅力を最大限把握するよう取り組んでいます。
そのためには送迎だけでなく、スタッフ間とセラピストでコミュニケーションを取るため、自由参加の定期的な社内イベントを開催しています。今年の夏は3回もBBQ大会をやりましたが、大変好評で他店にはないアットホームな魅力があると思います。
――定期的なイベントがあることで、吉沢さんの中で変化したことはありますか？
女性に対して細かい部分まで気付けるようになり、圧倒的に優しくなりましたね。四六時中セラピストの方と一緒にいるので、女性の仕草や表情ひとつで何をしてほしいのか気付けるようになったり、女性のテンションがあがるポイントも分かるようになったので、例えばネイルや髪型の変化があればすぐに褒めて気持ちよくお仕事に向かえる環境を心がけています。
――今後の目標を教えてください。
『アロマグランデ』自体が2店舗目なので、今後も高級店として富裕層がお住まいの銀座や日本橋のエリアなどにも新店舗を増やしていきたいですね。個人的な目標としては、出店するお店を任せてもらえるような人材に成長していきたいです。
――新店長目指して頑張ってください！それでは、最後にお店が気になった読者へメッセージをお願いします。
マッサージは難しいと思われる女性もいるかもしれませんが、講習でコツを学んで皆さん未経験から働いていますので、私ならできると思って来ていただければと思います。
不安な面はスタッフがフォローしますし、技術面では講師の先生方が前に進めるように道を作りますので、心配する必要はありません。
スタッフも1本ずつ大事に電話対応を行い、女性が稼げるように徹底したサポートを行っていきますので、まずは講習を受けて、体に負担なく、本格的な技術も身につくお店だと実感してください！
- 取材・文＝藤原リョウコ
