
プロフィール

高樹(たかぎ)
東北地方出身。専門学校進学のため上京し、奨学金返済のためハタチで風俗(ソープ)入り。卒業後は、大手企業に就職し、26歳で結婚出産。現在はバツ2で、3人の子どものシングルマザー。妊娠・出産以外は、継続的に風俗の仕事をしており、トータルの経験は約15年という大ベテラン。グループのスタッフとして応募をしたが、風俗への熱い想いが買われ、グループ初の専属の正社員講師が誕生したのだそう。子育ての合間に「推し活」をするのも楽しみのひとつ。好きな声優さんの朗読劇を観に、はるばる遠征に行くこともあるのだとか。
このインタビューのポイント!
- サービスとホスピタリティの底上げには「寄り添う女性」が必要不可欠。
- 女の子が笑顔で業界を卒業できる姿を見届けたい。
- 実績よりも人間性。最近ではマ〇ト未経験、デリヘル3年のみの方を採用!
業界を変えたい!その想いから講師チームが発足した。

――『マリングループ』の講師募集記事、最後にインタビューに登場していただくのは講師チームを取りまとめる高樹(たかぎ)さん。簡単に過去の経歴を教えてください。
進学のため上京して、ハタチの時に横浜のソープに入店しました。ひとり暮らしの生活費と、奨学金返済のためです。そこから就職後も結婚後も、出勤の波はあるものの、ずっと風俗を続けていたんです。休んだのは出産の時くらい。
――本職や子育てをしながらって、かなりハードですよね。
はい。睡眠時間も削って。起業の夢もありましたし、生活にゆとりも欲しかった。ハードでも続けられたのは、風俗の仕事が好きだったからですね。
――トータルにすると、風俗歴はどれくらいになるのですか?
15年くらいかな。ソープ、箱ヘル、SM、ジャンルも痴女系から清楚系までいろいろです。ひとつのお店に長くいるよりも、そのお店によって自分を演じることが楽しかったんですよね。
――風俗のお仕事以外では、何をされていたのですか?
最初に就職したのは、サービス業で、業界では大手企業です。そのあとは一度Uターンで地元へ戻りました。26歳で最初の結婚、出産。当時の夫の転勤で関東へ。子どもが保育園に入園したタイミングで、以前、起業して温めておいた会社で図面を引いたりもしました。
――すごい!バリバリのキャリアウーマンだったのですね。そこからなぜ『マリングループ』に入社することになったのでしょうか。
会社で実績を残したので、次のステップを考えていたんです。自分のやりたいことを思い描いた時、真っ先に思いついたのが、やはり風俗の仕事。再び戻るのであれば、現役復帰ではなく、スタッフサイドの仕事をしてみたいなと思いました。
――講師ではなく、スタッフ?
はい。以前在籍していた店舗では、女性スタッフさんに相談に乗ってもらい、すごく心強かったんです。その方は、元キャスト。気持ちも分かってくれるし、何より仕事にやりがいを持ち、楽しそうに働いていたのが印象的で。私も同じような存在になりたいな、と思い求人で『マリングループ』のスタッフ募集に応募をしました。
――最初はスタッフで入社をしたということですか?
面接の際、スタッフへの応募動機のほかに、風俗店の課題を挙げました。「技術を向上させる機会がないこと」「怖い目に遭った時の対処方法」「悩みを相談できる人がいない環境」などです。
業界を変えたい、という想いを熱く語りまくったら「グループのレベルアップを図りたいと考えていた。ぜひ講師として働いてみないか」と。
私の入社を機に、女性講師チームの採用が始まりました。
柔軟な対応力。建設的な議論ができる人に来てほしい。

――講習員リーダーとしての、主なお仕事を教えてください。
キャストの講習もしますが、他の講習員さんと異なる点は「講習員の採用・講習」を行っていることですね。
――具体的に一つずつ教えていただきたいのですが、まず「採用」。ここはどんな点を見ていますか?
応募自体は、キャストの経験さえあれば、業種も経験年数も不問です。ソープはマ〇トが基本ですが、マ〇トのないお店もあるので、それは徐々に覚えていけば大丈夫です。
判断基準は人間的な魅力と、人に指導をできるタイプの方か否か。華々しいキャスト経歴があっても人に教えられる素質があるかは全く別ですから。
――人に教える、というのは簡単ではないですよね。
私たちに大切なのは、接客のポイントをどれだけわかりやすく伝えられるか。キャストさんの個性も様々だし、理解力も違います。そのため、伝え方も変えていく必要があるんです。

――根っからがプレイヤータイプという方も多そうですし。
特にキャリアが長ければ長いほど、プライドも高く、自分のやり方に固執してしまうんです。実際に面接でも「私はこうだったから」と我を押し通そうとする方もいます。そういう方だと、やはり厳しい。チームで動いているのでコミュニケーションは大事ですから。
――物事を柔軟に受け止めらる方が理想ですよね。とはいえ意志のない「イエスマン」でも困りますよね。
そうなんです。風俗の講師って、決められたことをそのまま伝えるだけではダメなんですよね。それでは、よくあるマニュアル講習と同じで、現場経験のない男性スタッフがやっても変わらなくなってしまう。
講習員経験がなければ、教え方なんて分からないと思います。でも、それを指導していくのが私の任務なので、そこは安心して飛び込んできてほしいです。
――よくわかります。「学び吸収する姿勢」、「自分の理想とする未来像」を思い描ける方と働きたいですよね。
もちろん建設的な意見は大歓迎です。抑え込んだり、反発のやりとりではなく「議論」がしたい。講師チームは個性の集まり。キャストも同じ。過去の経験と現場で得た今の温度感をみんなで持ち寄り、切磋琢磨しながら上を目指していきたいですね。
目標を叶え、笑顔で卒業する女の子をひとりでも多く。

――「講習員への講習」についても詳しく教えてください。
採用が決まってから、実技もしっかり指導します。現役時代が長く、人気があっても、ずっと間違った知識のままお仕事をされていたり、向上心や勤勉さを忘れかけている方も中にはいらっしゃるんです。
長年、新しい技を覚えることもせず、プレイもマンネリ化。それでも、指名のお客様が多いからお仕事としては成り立つんですよね。
――よく分からないまま、歴だけが長くなってしまうパターンですね。
ホスピタリティーや技術面を総合的に見ると、なかなか…(苦笑)。脱衣からお見送りまでを再現し、それとは別にマ〇トも講習します。
基準をクリアしたら、現場で女の子に講習をしてもらいますが、その際も私が同席して卒業判定をします。
――太鼓判を押して、初めて講師デビューできるのですね。でも、そこまでしてくれるのはすごく安心。
ちなみに、私も最初は『バルボラ』で講習を担当していたお姉さんに、講習員としてデビューできるかチェックをしてもらったんです。
――今までは現役のキャストさんが後輩の子を見ていたのですよね。
そうなんです。今までずっと講習を受け持っていたのに、突然知らない人が来て「これからは講師としてキャストを指導します」って言われたら困りますよね。
実際に、技術、接客の仕方、考え方などを見ていただいたんですよ。そして今後は私に任せてくれると。なので、これから入社した方は、私のチェックのみになります。

――素晴らしいですね。こういった心がけの積み重ねが、お店を発展させる原動力になることでしょう。
今までの感謝を伝えるとともに、お店の発展に向けて頑張っていこうとお互いに決意を新たにすることができました。
お店との関係も良好。講師チームは全員、経験値や勤務期間・場所等バラバラですが、現役の子たちからは「こういうのを待っていた」と大歓迎してもらえたんです。嬉しいですね。
――接客面では、どういったことを指導されますか?
キャストの気持ちに寄り添うのは大事なのですが、同調とは別なんですよ。例えばお客様の悪口を言う女の子がいます。キャストに同調すると「わかる、そうだよね」になってしまう。そこは講師(指導者)として、何が問題か、どうすれば解決するのかを考え、声をかけていく必要があります。
――なるほど。女の子の機嫌を取るために、ついつい同調してしまいそう…。
マイナスな方向に持っていくと、ますますネガティブになり、結果的に女の子のパフォーマンスは上がらないんですよ。
その他にも、写メ日記の書き方、ハプニングが起きた時の対処方法、メンタルの保ち方、など教えることは多岐に渡ります。
――講師という仕事は難しくもあり、やりがい十分ですね。最後に高樹さんの夢を教えてください。
女の子たちって、お金を稼ぐ理由があって働いているんです。実際、風俗のお仕事ってすごく難しいこともあるし、シビアな世界。。そんな中、せっかくチャレンジをして、頑張っているのだから、絶対に夢を叶えてほしいんです。
「マリングループだから達成できた」「マリングループで良かった」「働きやすかった」。そう言って、笑顔で卒業する女の子たちの姿をひとりでも多く見ていきたいですね。

編集後記
2回連続でお届けした『マリングループ』の講師募集インタビュー、今回は講師チームのリーダーでもあり、新宿の有名ソープ「バルボラ」の代表を務める高樹(たかぎ)さん。大手企業も経験し、手に職を持つキャリアウーマンです。学生時代から風俗の仕事が大好きで、妊娠・出産の期間以外は、本業と掛け持ちで働き続けていたのだとか。現在は、新しく発足した講師チームのリーダーとして活躍。面接から、講習師への指導、講師陣のオペレーション構築など、内部的なものもあれば、店舗へ出向き、女の子との面談や講習も行っています。今はまさに採用強化中につき、多忙を極めていますが、大きな残業もなく、週休2日。正社員として安定しつつも、充実した毎日を過ごせているそうです。高樹さんのお話しの中で印象に残ったのは「自分はこれで成功してきたから、と頭から否定するのではなく、前向きな議論ができる人と働きたい」。講師の経験があってもなくても、現役嬢の実績が長くても短くても、そこはあくまでも参考程度。高いモチベーションと、女の子の幸せのために同じベクトルに向かって歩める人材を求めています。
- 取材・文=みやねぇ(@mikke_story_myn)