プロフィール
かりんと赤坂/かりんとグループ
木村井太
1979年生まれ、大阪府出身。20代をバンドマンとして過ごすが夢をあきらめ、物流会社に就職。しかし、先の見えた人生に嫌気が差し、クリエイティブ魂が再燃、風俗業界に転身。人生訓は、「人はひとりでは生きていけない」。
このインタビューのポイント!
- 夢をあきらめ、定職に就いたが満たされない思い
- コミュニケーションは、女の子の働き方や稼ぎなど、すべてにつながる
- 閑散期こそ、女の子にとってのチャンス
- プレイ時間は20分から。オナクラだから無理がない
『かりんと神田』と『かりんと赤坂』、統括として2店舗の店長を任されている木村さん。インタビューを通じて何度も発した「コミュニケーション」という言葉が印象に残る。
一方で、同店では、円滑なコミュニケーションを図るために、事務所は待機ブースからスタッフブースまで横一列で間仕切りがない。まさに風通しのいい環境だ。
「もしかしたら、女の子に “おせっかいおじさん”と思われているかも」と木村店長は心配していたが、それはキャストを思い、コミュニケーションを大事にするからこそだろう。
夢をあきらめ、定職に就いたが満たされない思い
――前職は、どんなことをしていたのですか?
高校を卒業して大学に進んだんですが、家計が苦しくなって2か月で退学したんです。それからフリーターをしながら、バンド活動をしていました。でも、30歳を前に音楽で食えないことに絶望して全て投げ出してしまったんです。
それから、物流会社に就職して7、8年働いていました。待遇は悪くなかったんですが、海外赴任の話が出て、「5年くらいシンガポールで頑張ってほしい。帰国したらポジションと待遇を約束する」みたいなこと言われたんです。
――でも、シンガポールには行かず、物流会社を退職された?
はい。レールに乗せられて、先が見えてしまう人生に楽しさを感じなくなってしまって。音楽という創作活動は面白いけど、食べていけないから諦めた。そのはずなのに、やっぱりクリエイティブなことをしたいという気持ちを捨て切れていなかったんですよ。
それで、物流会社を辞めたんですけど、何をするのかが決まらず、自堕落な生活を半年くらいしてました。「いよいよ、どうにかしないと」と行き着いた先が風俗業界だったんです。
――ニート生活から風俗業界に転身したきっかけというのは?
何となく、「男子 高収入」でネット検索したんですよ。すると、“風俗”に関する情報がたくさん出てきて、風俗業界で働くことに興味がわいてきたんです。
業界のことをいろいろ調べていくうちに、「何かクリエイティブなことができるかもしれない」と思うようになって、「面白半分、人生経験としてやってみよう」と軽い気持ちで応募したんです。結局、面接まで進んだのは『かりんと』だけでしたけど。2015年のことですね。
コミュニケーションは、女の子の働き方や稼ぎなど、すべてにつながる
――木村店長が受けた面接の様子を聞かせてください。
「面接官はイケイケなお兄さんかな」と思っていたら、デザイン会社にいそうなピンクのカーディガンを着た『かりんと赤坂』前店長が現れて、延々と自分の夢を語り出したんです。それが終わると、「一緒に頑張りましょう!」って言うものだから、僕は呆気にとられてしまって(笑)。
デザインやホームページをまとめた作品集を彼に渡したんですけど、チラッと見ただけで、「大丈夫です!」って(笑)。
――何が大丈夫だったんでしょう(笑)。前店長からどんな指導を受けたのですか?
前店長からは、「コミュニケーションがすべてにつながる」ということを学びました。コミュニケーションは、女の子の働き方や稼ぎ、お店の売上など、すべてにつながってくるということです。
キャストさんのいい写真を撮るには、相手のことをよく知らないと難しい。お客様からの電話の受け答えや、女の子にお仕事へ行ってもらうこともそうです。
相手の気持ちを考えることなく、(機械を相手にするように)オペレーションしていたら、うまくいかない。相手は血の通った人間で、生きたコミュニケーションが必要なんですよ。
閑散期こそ、女の子にとってのチャンス
――女性の採用基準について教えてください。
大事にしているのは清潔感と年齢だけで、30歳までを目処にしてます。
――面接では判断しにくいと思いますが、内面やポテンシャルについてはどうですか?
一緒に仕事をしてみないと分からないですから、印象だけで合否は決めません。それに、5点評価で、2点の女の子を3.5にすることは、お店の力でできると思うんです。
だから、自信がもてない女の子でも「ここで働きたい。ここで頑張る!」って言ってくれるなら、「俺も一緒に頑張る!」って言いますよ。
――講習は、動画を見てもらうのと口頭説明だけだそうですが、女性が戸惑ったり、悩んでしまったりということはありませんか?
うまくいってないようなら声をかけますし、僕ができることなら対応します。また、「誰々ちゃんが同じ経験をしていたな」って判断して、その子につなげることもあります。
おせっかいにならないように、相手を尊重しながらコミュニケーションをとり、コミュニティにつなげるんです。そうやって、みんなで考えるようにしています。
――「稼げない」という悩みも多いですか?
はい、閑散期になると特に。でも、閑散期は、女の子にとってチャンスなんですよ! お客様の中には、ゴールデンウィークや夏休み、年末年始を控えて財布の紐を固くするとか、仕事が忙しくて風俗を利用できないという人が多いと思います。にもかかわらず、そんな時期に来てくれるお客様は、女の子選びで失敗したくないから、特に感覚が鋭いんです。
ここで、手を抜いてしまうと、お客様に気に入ってもらえないから後が続かない。逆に、しっかり接客をする子は、お客様に気に入られてリピーターになってもらえるんです。「お金があるときにロングコースを利用しよう」「(ショートコースなら低料金なので)また来週に来よう」って思われますからね。
プレイ時間は20分から。オナクラだから無理がない
――女性が『かりんと赤坂』で働くメリットを教えてください。
当店は、ヘルスプレイがない手コキ・オナクラ店です。コースは20分からあるので、接客が苦手とか、自分の時間を大切にしたい方でも無理なく働けます。また、ロングコースもあり、自分に合わせた働き方を選ぶことができます。それに、赤坂という土地柄、良識のあるお客様が多いというのもアドバンテージですね。
このほか、派遣先は、事務所から近いレンタルルームやホテルなので、身バレの心配がありません。しかも、広くてキレイ。ときには、『グランドハイアット東京』に行くこともありますよ!
――女性の稼ぎに直結する集客についてはどうですか?
女の子と一緒に考えるユニークなイベントやコースが受けているということ。また、キャストの在籍数が多いので、お客様に選ぶ楽しみを提供できているというのが集客につながっていると思います。それに、大手と言われる店舗さん並みに広告出稿してますし、リピーターも多いです。
――将来の夢、目標について教えてください。
女の子に対しては、目的、目標を達成して、「自分の道に進むから風俗を卒業する」って言ってもらえたら嬉しいですね。
個人的には、有名になりたいとか、他店に勝ちたいっていうのはありません。ただ、今の風俗業界は、時代の転換期の真っ只中だと思っていて、そんな時期に「あれは、木村がやったんだよね」って言われるような何かをクリエイトしたいです。
- 取材・文=みけお