キャストのモチベーションの高さが良い店づくりに繋がる

今回は、大手「スターグループ」が運営する風俗エステ店『横浜回春性感マッサージ倶楽部』にて店長を務める北村勇気さんにお話を伺った。ソフトサービスでも確実に稼げると評判高い同店は、グループ内での首都圏進出の1号店。お店のさらなる成長を見込まれ、現在のポストを任された彼の経営ポリシーとは？！

伸びしろのある店を任される、店舗成長の立役者！

――風俗業界に足を踏み入れるきっかけはいったい何だったのですか？

もともとは、高校を卒業してから8年ほど造船業に従事していたんです。ただ、この仕事が将来的にどう繋がっていくのかがわからなくて、一旦リセットする形で辞めてしまいまして。同時期に彼女と別れることにもなって、勢いのまま「このまま風俗業に行ってしまえ！」と相成った形ですね。

――造船業というのも珍しいですね。なぜ風俗業を？

正直に話してしまうと、転職のタイミングで給与が格段に下がってしまう恐れがあったことも大きな理由です。というのも、前職では月給40万円ほどで、26歳という年齢にしてはそこそこ貰っていたんです。再就職して同じくらいの額を貰えそうな一般企業があるとは考え付かなくて。

――確かに、20代半ばの転職で40万円級の仕事は難しいかもしれませんね。

とりあえず「風俗　高収入」というキーワードで、ネット検索をして求人サイトからお店選びをしました。最初に入った会社は主にヘルスを経営しているグループで、2年ほどそこに勤めました。入社後1年ほどでとあるお店の店長になったのですが、その直後にグループ内で最下位だった店舗の売り上げをトップに急成長させることができたんです。

――それってスゴいことじゃないですか。でも、そこは2年で辞めてしまったのですよね？

ちょっとした事件が起こったことがきっかけで会社を信用できなくなり、退職の道を選びました。そして次に見つけたお店が、ここのグループ店である『川崎回春性感マッサージ倶楽部』です。もともと名前だけは知っていたので、行ってみようかなと。

――最初は川崎のお店からスタートしたんですね。しかし、なぜまた横浜の方に？

川崎では1年ほどスタッフとして働いて、1年半ほど店長を務めました。そこである程度の実績を出したことで「別の店の売り上げを伸ばして欲しい」と言われ、池袋店に異動したんです。そこでも業績アップを果たして結果を出せまして、2年後にさらなる売り上げ成長を見込まれて横浜店へと異動になりました。

――その話を聞く限り、北村さんは伸びしろのある店を成長させる立役者として見込まれているようですね。

そう思っていただけているなら有難い話です。でも実はまだ池袋店も兼任していて、この店には2018年の2月頭に入ったんですよ。まさに、自分のこの店での仕事は始まったばかりの状態です。新人みたいなものですね（笑）。

敏腕スタッフと共に店舗の活性化を図る

――やはり同じグループ店であっても各店舗によってカラーは違いますか？

そうですね。土地柄というのもあるので、かなり違うと思います。まだこの店に関しては掴みきれてはいないんですけどね。何もかも自分なりに探り探りやっている最中です。

――今回のように異動で店長が新任した時って、どういう風にご挨拶されるのですか？

これは個人的なルールなのですが、一人ひとりへの面談については、在籍が長いベテランの方から順にお話させてもらいます。なので、キャストの中にも、まだしっかり話をできてない方がたくさんいるんですよ。

――もしかして、あまり出勤されないベテランさんがいても、そこは飛ばさずに待っている状態なのですか？

はい。やはり長く在籍してくださるキャストこそ、もっとも敬意を払うべき存在だと思います。いくら売れているからといっても、新人の人気嬢と優先的に話すのは自分の流儀に反しますね。

――先ほど、この店には「さらなる売り上げ成長を見込まれて」異動になったと言われていましたが、現段階で見えている課題はありますか？

まずはキャストのテンションです。全体的に「今日は1本入ればいいや」といった雰囲気が感じられて、少し活気がないように思います。もう少しハングリーになってもらいたいのが本音です。

――キャストの活気の有無は、売り上げを左右するものなのでしょうか？

一概にハッキリとは言えないところですが、過去に担当した2店舗のことを考えると左右すると思います。やはりキャストのモチベーションが高ければ、スタッフにも気合が入りましたし、お客様もそれによってどんどん戻ってきてくれました。

――では、モチベーションを上げるためにするべきことは何だと思いますか？

キャストを働きやすくしてあげることではないかと思います。そのためにはスタッフの気配りや、お客様へのプッシュは必須です。なので、この店の成長を促す打開策として、池袋店から信頼できるスタッフを1人連れてきたんですよ。彼は桜井といって電話受付の印象がとても良く、キャストの対応にも長けている、非常に優秀な人材なんです。

――つまり桜井さんは、前のお店からの引き抜きってことですよね。こういう人事ってよくあることなのですか？

いえ、基本的にはNGだと思います。ただ、今回はグループのトップから「どうすれば、より良い店づくりがしやすい環境になるか」と聞いてくださったので、「桜井を連れていきたいです」と。敏腕スタッフを手元に置くことは、店を盛り立てる要因のひとつだと思います。

面接の時に必ず「いつ辞めるつもりか」を確認する

――ただ、環境が良くなっても仕事が入ってこなければキャストは離れていきますよね？

実際のところそうなんですが、結局はすべてループしてるんですよ。仕事がなければキャストが辞める。さらにお客様は来なくなり、新しい女の子も入店しなくなる。売り上げはまた下がる……。

――なるほど。どこかがダメな状態であれば、別のところもほころびが出る、と。全部が連動しているわけですね。

つまり、売り上げを上げるためには、これを逆回転させればいいだけの話なんです。お客様を呼ぶために少しずつ営業と宣伝を強めて、仕事を増やすことでキャストの出勤数を増やして、それを外から見た女の子が「この店は今仕事がある！」と判断して入店を希望してくるといった具合に。

――今は、それを実行している段階なのですね。

はい。ですが、こうした動きはすぐに結果が出るものではありません。成果が見えてくるのは、早くとも3か月くらい先ではないかと思います。

――結果が出るまでの3か月間はどの様な形でキャストを繋ぎとめておくのですか？

かかってくる電話に真摯に対応することです。スタッフがその1本の仕事を大事にとっていく姿勢を見せ、その姿を信じてついてきてもらうしかないですね。

――この店で働く上でのいちばんのポイントはどこにあると思われますか？

やはり体に負担がかからないことではないでしょうか。お客様からのボディタッチはありませんし、癒しを求めての来店が多いせいかガツガツしてくる方も少ないです。動かす部分も基本的には肩や腕だけなので、そこまで疲れが出ませんし。

――女の子が入店してくる理由も「ソフトサービス」という部分が大きいのでしょうか？

そうですね。風俗未経験の子の場合は、キスやフェラが嫌だという理由で来ることが多いです。経験者の子は受け身のプレイがキツくなってエステに鞍替えというパターンが多いように思います。

――さらに特長のひとつとして、女性による回春マッサージの講習が挙げられますよね。彼女たちは元キャストだとお聞きしたのですが……。

そうです。うちのグループ店の元キャストだった女性たちが、今は専属講師として動いてくれています。1時間半から2時間くらいの講習になるのですが、まずはDVDで説明を聞き、その後はラブホテルで講師とマンツーマンで教えてもらう流れになります。

――それとは別に、風俗とは違う一般のエステの講師の方もいらっしゃるとか？

月に2回なのですが、プロのエステティシャンによる講習があります。この店では希望者はかなり多く「マッサージの技術をしっかり学びたい」という意欲が見えますね。エリアによっては全く申し込みがない店もあるので、その辺はキャストたちが「目先の利益を追求する」か「自分を磨き続けるか」の意識の違いが現れるのではないかと思います。

――キャストに対して、どの様な想いを持って接してらっしゃいますか？

私はまず面接の際に「いつ辞めるつもりなのか」を聞いています。目標を設定した上で働いた方が、ダラダラと在籍し続けるよりも絶対にその人のためになるはず。私は風俗の仕事は、やらないならばその方がいいものだと思っているんです。

――なるほど。なるべく早く目標金額まで稼いで、卒業させてあげたいという考え方なのですね。

キャストの目標を加味した上で、どのように稼がせてあげるべきかは、常に考えています。正しいアドバイスをすることで、キャストたちにとって最善の成果に繋げてあげたいですね。

――では、最後に北村さん自身の今後の目標について教えていただけますか？

35歳までに「統括」という、もう一段上の立場にいくことを目指しています。本当はすでにその位置まで昇進している予定だったのですが、なんだかんだで出遅れてしまっている感じなので（笑）。少しでも早く、目標に近づけるように頑張っていきたいです。