脳性マヒの身体障害者とメンヘラソープ嬢が恋に落ちた!? 映画「パーフェクト・レボリューション」インタビュー!

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2017年9月29日から公開予定の映画「パーフェクト・レボリューション」。

「身体障害者だって恋をするし、セックスもしたい!」
と、訴える重度身体障害者のクマと、人格障害を抱えるソープ嬢のミツが恋をして、「生まれも、お金も、職業も……幸せには関係ないことを世界に証明するの! 本当の幸せを!」と完全な革命を挑むストーリー。

クマは幼少期に脳性麻痺を患い、手足を思うように動かせず車椅子生活をしている。ただし彼はセックスが大好き。身体障害者にとっての性への理解を訴えるために活動している。そんな彼が、ある日、美少女・ミツと出会う。障害者であるにもかかわらず生き生きと生きているクマに、ミツは「あなたとわたしみたいなのが幸せになれたら、それってすごいことだと思わない? 」「それを世界に証明するの!」。どんな不可能も可能にする、ハチャメチャだけど純粋な、クマとミツの“最強のふたり”のラブストーリーがいま始まる!

実は、実話を元にしたものなんです。あっ、ダジャレじゃありませんよ(サムッ)。

パーフェクト・レボリューション
(写真/障害者の性を訴えつづける活動家・熊篠慶彦。彼の実話にもとづく物語を、『最後の命』の松本准平監督がポップに力強く映画化)

もしかしたら知っている人は知っているかもしれませんが、今や伝説(!?)ともなっている元ソープ嬢さんと、身体障害者のセクシャリティに関する支援するNPO法人「ノアール」代表で障害者の性を訴える活動家の熊篠慶彦さんをモデルにしています。

現役風俗嬢の方も、元風俗嬢の方も、恋愛&結婚と風俗との両立については誰もが頭を悩ませたことがあるのではないでしょうか。

というわけで映画のモデルになった熊篠さんにインタビュー。“風俗嬢と付き合うこととは!?”……みたいなコトをじっくり聞いてきました♪もちろん映画の製作裏話も!

主人公クマのモデル・熊篠さんの恋愛事情

パーフェクト・レボリューション
(写真/主人公のクマ役を演じるのは演技派リリー・フランキー)

中山美里
お久しぶりですっ!
いやー、リリー・フランキーさんが熊篠さんにそっくりでびっくり! 仕草とか表情とか喋り方とか。思わず笑っちゃった。
日本ものまね大賞取れるよ。僕だったら大賞さしあげますね。
中山美里
宗教の勧誘を受ける「神様」のシーンは笑えたなぁ!(*内容は劇場でお楽しみください)
ああ、あれ、実話なんだよ。道端とかで神様の教えを熱心に説かれるコトって3年に1回くらいあるの。宗教にハマってる女性が「あんた頑張ってるね」って1000円札ポケットに突っ込まれたのも本当にあったコト。ああいう時にどうかわすかで、人生ってオモシロイか、オモシロクないかが決まる気がするんだよね。
中山美里
ところで、この映画を熊篠さんから見た時、実話って何割くらい入ってる感じなの?
『法事で実家帰るシーン』あるじゃん? あれなんかは、実際は夏だったわけよ。撮影したのは冬だったから派手なジャケット着てたよね。実際の元カノは、ピンクの花柄みたいなスゲー派手なノースリーブワンピースだったりしたんけだど。
中山美里
法事にノースリーブ! 法事に花柄!
ツッコミどころ満載でしょ。で、あの時に「お供えの花みたいなもんなんだから」って言ったのはホント。こういう感じでフィクションとノンフィクションが混ざってるんだけど……そうねえ、生年月日もホンモノだったりするから、そういう細かいところまで入れていくと6~7割ってとこかな。

パーフェクト・レボリューション

中山美里
おおっ。案外思った以上に、ホントがいっぱい含まれてる! でも法事なのに礼装じゃないなんて、なかなかっすね。
「えーっ、法事って言ったじゃーん」って僕も驚愕しましたよ。でも、もうその格好で来ちゃったから仕方ないか……と(苦笑)。

ちなみに、映画では父の法事ってことになっていましたが、実際はボクの父、生きてるんですよね(笑)。
結婚するかも、みたいなことは事前に親には話してて。ちょうどいい機会だったので、一緒に実家に帰ったんです。結果、別れちゃって、今があるんですが……。

風俗嬢との恋愛の顛末は!?

パーフェクト・レボリューション
(写真/ヒロイン役ミツには清野菜名。「ミツとあたしは一心同体だったと言い切れます」)

中山美里
別れた理由、聞いちゃっていいですか? 
簡単に言えば、別の男の影がちらつき始めたからだよね。
最初はね、向こうが「セフレが欲しいんだけど」って相談してきたの。付き合い始めた頃も「愛人がいる」とか言っていたんだけど、どこの誰だか分からないし、愛人も仕事の一環でもあるわけでしょ。だから、許容できたんだよね。
中山美里
名前も顔も分からない、どこかにいるんだどうけど会っても分からない「見知らぬお客さん」ってことですね。
そうそう。でも、「セフレ」ってなった時に、一度「ん? それは違うんじゃないか?」ってひっかかるわけですよ。しかも、それがSNSで「あいつじゃないかな」ってなんとなく分かってしまった(苦笑)。
中山美里
あちゃー。一気に“現実の人”が認識が出きちゃったワケだ。それまでフワーッと見知らぬ誰かさんだったのが、リアルに顔も名前もある人になってきた。
まさしく。そうなっちゃった時に割り切れなくなっちゃった。
中山美里
じゃ、風俗って部分については、最初から最後まで受け入れていたって感じなの?
そこは、もちろん。僕は、自分が風俗も使っているから、風俗を否定しちゃうと、風俗を使っている自分も否定しちゃうことになるでしょ? これまでにも援交している子やデリヘルの子と付き合ったことがあるけど、前から気にならないんだよね。
中山美里
セックスのお仕事してるってコトが足枷にならない?
うん。でも、逆に、かわいそうとか、そういう特別視もない。
中山美里
“風俗嬢”ってところに、余計なドラマを勝手に持ち込んで盛り上がっちゃう男っていますもんね(笑)。ちなみに、元カノとはどんな感じでスタートしたの?
知り合った時には彼女のほうから猛プッシュよ。メールも電話もジャンジャンくる。猛烈な肉食系でした。

メンヘラになる理由は“余白”が多いから

パーフェクト・レボリューション
(写真/リリー・フランキー「主人公は障害者でも、この映画は全ての人々が持つ障害と愛の物語です」)

中山美里
積極的に迫ってくるとこは、主人公ミツも同じでしたね。
でも、風俗って、ミツとは真逆のタイプの方も多いじゃないですか。必要以上に自分の境遇を哀れに捉えちゃって、メンタル病んじゃうような子。「こんな私じゃ誰からも愛されない…」的な。なのに寂しくて愛されたくて、おかしな方向に走っちゃう子。
うんうん、いますよね。
中山美里
よくあるのがさ、過去とか今の不幸に囚われちゃって、で、友人関係もうまくいかなけれりゃ、体張ってんのに満足なカネを稼げず、そんな中でホストとか悪い男に引っかかって、借金作って、さらなる不幸を呼び込んで、実家を追い出されてマン喫暮らしとか、ますます負のスパイラルに陥っていく……みたいな。って、実際そんな話聞いたばっかりなんだけど。
でも、それって”余白”が多いからなんだよね。余白って言い換えればムダとも言えるんだけど……。ホストって余白じゃん? 別に行かなくたっていいとこじゃん? で、俺なんかは最初からホストみたいな店に行く選択肢がそもそもない。
中山美里
店的にまず電動車椅子で入れるところって少なそうだしね。
そうそう。つまりさ、ボクの場合、生まれつき障害があって、いろんなことができないんだよね。体のことに関していうと、老化が加わって、現状維持が精一杯。将来は加速度的に障害が重くなってくのが分かってる。なるようにしかならないことが多いから、悪い意味でなく、いろんなことを諦めてる。だって、今後、僕が縄跳びしたり、100mダッシュしたりってできないワケじゃん?
中山美里
残念ながら……。
だから、今から無茶な新しいことをしようだなんてこれっぽっちも思ってなくて。かといって、世捨て人にもなったわけじゃない。何をしているかというと、自分ができる狭いところで楽しいこと、面白いことを見つけていければいいなと。

他の人からしたら面白くなくても、最低限自分が面白ければ十分じゃない? ホストに行って、騙されて、大金使って、借金になって……みたいなことってボクには最初からできない“余白”なんだよね。

幸せは身近にあるもの……

パーフェクト・レボリューション
(写真/ふたりの恋をそばで見守る仲間たちを小池栄子、岡山天音、余 貴美子ら豪華キャストが演じる)

中山美里
人生、ラクしてショートカットもしようと思えばできるのに、ホストでシャンパン爆買いして借金作ってダメ男にハマるとか、苦難の道に敢えて自分から飛び込んじゃって壮大な遠回りしているんだから、その回り道もせいぜい楽しむしかないと!? まあ、楽しめなくても、後から振り返れば、話題のネタにはなるよね。
楽しくないし、苦しいだろ! ネタにはなるかもしれないけど……笑!
でもさ、負のスパイラルにハマっちゃうのはわかるんだよ。僕の場合、毎年夏バテするんだけど、体調が悪くなると思考もあまりよろしくない方向に考え始めちゃうんだよね。無理に抜け出すことはできないから、「秋になって涼しくなって、ちゃんとご飯を食べられるようになると、メンタルも回復していくだろう」とのんびり構えるしかないんだけどさ。心と体ってリンクしてるから。
中山美里
お、いきなりいい話になったね。ってコトで、幸せは案外身近に、自分の周りのスモールワールドにあるかもよ? 的なシメでいい?
で、映画の感想ってどうだったのよ?
中山美里
私さ、障害者とソープ嬢の恋愛っていうから、「また、貧困とか不幸とかなワケ?」ってあんまり期待しないで行ったんだよね。そしたら、全然違うじゃん? ラストも某映画のオマージュだよね、きっと。カッコよかった。意表突かれた。
そこら辺は監督も意識しているみたいだよ。正直いって、貧困とか不幸とか、ああいうのって、風俗で働いている側はもう飽き飽きなんじゃないかなと思うんだ。そういう人に、ぜひ、見て欲しいな。

……ってコトで、予告はコチラ! ぜひ、映画館でお楽しみを!

『パーフェクト・レボリューション』 作品情報

型破りな究極の愛の物語に、
リリー・フランキー、清野菜名が体当たりの演技で挑む。

無謀だなんて、誰が決めた?
泣いてもいい、笑われてもいい。障害なんて二人で超える。
革命は起こせる。

パーフェクト・レボリューション

●公式HP: http://perfect-revolution.jp/
●公開表記: 9月29日(金)TOHOシネマズ 新宿他にて全国公開!
●コピーライト表記: (C)2017「パーフェクト・レボリューション」製作委員会
●配給: 東北新社
●レイティング: PG12
●117分

脳性マヒの身体障害者とメンヘラソープ嬢が恋に落ちた!? 映画「パーフェクト・レボリューション」インタビュー!

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サポータープロフィール

中山美里

ライター

中山美里

フリーライター&編集。編プロ「オフィスキング」取締役。性風俗や性の健康、女性の生き方などを中心に取材・執筆。風俗キャストなどアダルトの仕事で関わってきた女性は1000人以上。大人の女性のラブメディア『JESSIE』の立ち上げやAVプロダクションの協会に携わるなど、アダルトのお仕事の地位向上に奮闘中。 著書に「高齢者風俗嬢」「ネット風俗嬢」「16歳だった」など。

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