風俗で働く女性のための救世主!無料生活・法律相談サービス「風テラス」

風テラス
坂爪さん
「風テラス」発起人 坂爪真吾
1981年、新潟市生まれ。東京大学文学部卒。
大学時代、歌舞伎町の性風俗産業の研究を行う過程で、性風俗産業の問題を知る。卒業後、性に関するサービスを「関わった人全員が、もれなく幸せになる」ものにする=「性産業の社会化」をテーマに起業。2008年、「障害者の性」問題を解決するための非営利組織『ホワイトハンズ』を設立。年齢や性別、障害や病気の有無に関わらず、全ての人が、生涯にわたって、「性に関する尊厳と自立」を守ることのできる社会の実現を目指して、日夜奮闘中。二児の父。

「風(ふう)テラス」は、風俗店で働く女性が無料で生活・法律相談などの専門家(弁護士・社会福祉士)に相談できるサービス。運営資金は、すべて支援してくれる方たちからの寄付で成り立っている。
都内(吉原・池袋・鶯谷)と発起人である坂爪氏の故郷である新潟で定期的に開催中だ。

弁護士と社会福祉士による無料相談会

風テラス悩み相談

池袋と鶯谷は、待ち合わせ型ヘルス「デッドボール」と「おかあさん」の店舗協力により、同店にて勤務するスタッフのほか、オープン枠として風俗で働く女性であれば誰でも相談ができる機会を設けている。今回、吉原で開催された相談会は、オープン枠のみで開催。もちろん、ご自身の勤務地や職種を問わず、どこのエリアでも相談できる。

「風俗で働いているという事実を隠さずに、且つ、相談内容を店側に知られることの無い形で、安心して相談できる機会」を作ることが目的。

なかなか相談する相手がいない、特に専門的な話になるとなおさら。
借金、離婚、障害、病気、介護、育児、DV、心の相談……。困ったときにぜひ頼りにしてほしいサービスだ。

今回、吉原で行われた相談会へ出向き、代表坂爪さんと弁護士の浦崎さん、社会福祉士の木下さんに「風テラス」に懸ける想いを語っていただいた。

業界を変えたい。風俗業界が社会で認知されるように

坂爪真吾

坂爪氏は、大学時代から性産業における業界改革を目指し起業。
一般社団法人ホワイトハンズを設立した。
人間の三大欲求のうち、なぜか「性」だけがアンダーグラウンドな世界に追いやられ、見て見ぬフリをするどころか、実態を見ようともしない。そんな社会を変えていくことが重要だと考えている。

――ホワイトハンズの活動のひとつである、「風テラス」を始めたきっかけを教えてください。

サービスを開始したのは2年前、2015年の秋です。
TVのドキュメント番組で“レベルの低さ日本一”を掲げる「デッドボール」さんが、軽度知的障害のキャストも勤務しているという事実を知り、僕が批判をしたことから。Twitter上でのやりとりで同店の篠原代表から「実際にお店を見に来ませんか」と声がかかりました(笑)。

>>経緯詳細はこちら!
Fenixzine「PRこそ経営の要! “おもしろ”から“社会派”へのしたたかな転換」~デッドボールグループ総監督・篠原政見のリアリズム#2~」

――相談会を始めてみてどんな印象でしたか?

結局、悩んでいることって、特別なことではないんですよ。お金のこと、家庭のこと、将来のこと。どの職種でも、みんな同じような悩みを抱えているんです。ただ、事実として、風俗業界には社会に出ても、まともに職に就けないのではないかと不安を抱える女性がたくさんいる。
でも「風俗で働いている」というだけの理由で、そうした悩みを誰にも相談できずに抱え込んでしまう。社会とつながりにくくなってしまう、という現状がある。それを何とかできないかって考えて。

――実態を見て「風テラス」というサービスに行きついたんですね?

悩みを抱える女性が働きやすい環境を作るため、専門家と連携して支援していくことを決めました。

――なるほど。では最後に、ホワイトハンズがテーマに掲げる「性産業の社会化」とは具体的にどんなことかお聞かせください。

例えば「手コキ」は障害者への射精介助につながります。立派な社会貢献です。
生活に困った時、心が疲れた時に適切な支援やケアを受けられる環境を作って、風俗で働きながら、社会とつながることのできる仕組みを作りたいんですよ。性産業が市民権を得るには、まず風俗店側の意識が変わらなければならないし、まだまだ偏見もあります。まずは僕たちの活動を通してたくさんの人に「現場」を知ってもらうことが大切だと思っています。

お金、家庭、人間関係など多岐に渡る相談内容

弁護士浦崎さん

弁護士の浦崎さんは、大学時代に司法試験に合格し(すごい!)、就職後は弁護士過疎問題に着目し、自ら離島への赴任を希望。長崎県の「壱岐」へ渡り3年間で約1000件の法律相談をこなした敏腕弁護士。離島から戻ってきてからも多くの刑事裁判などに携わり、社会福祉士の資格も取得。現在は司法と福祉が連携する「司法ソーシャルワーク」の実践を通じ、活動の場を広げている。

取材を開始して早々に浦崎さんの携帯電話が鳴った。
「風テラス」では電話相談も行っているのだ。

聞けば、風俗嬢とホストの金銭トラブル。ホストに貸したつもりが返ってこない。ホストも借りた認識ではなくプレゼントしてもらった認識。貸した証拠は何もない。
これでは正直お手上げだ。

――こういった相談も多いんですか?

そうですね、ホストに貢ぐキャストさんの話は多いですね。逆に熱を入れたお客さんからのプレゼントを受け取っていて、あとから返せと言われて困っている、というようなこともありますね。

――現実味がありますね……。トラブルを防ぐためには何をしていればよかったのでしょう?

「いつか返してほしい」のであれば、絶対に証拠を残すことですね。借用書は難しいとしても、LINEでも何でも「いつまでにいくら返す」という内容を残してもらいましょう。あとはホストの場合、素性が分からないことが多いので、本名や連絡先などを把握しなくてはなりません。ちょっと面倒ですがそこまでしないと関係が悪化したあとに返してもらうのは難しくなってきます。

――そのほかに、どんな相談内容が多いですか?

本当にさまざまです。基本的にその方の仕事が風俗、というだけであって一般的な相談内容と変わりません。
お金のことでいうと、借金やローン、遺産相続、家庭内のことだと親権や離婚問題、その他将来的な不安や、人間関係のトラブル。部屋を片付けられない方の「ゴミ屋敷」の相談なんかもありましたよ。

――ぶっちゃけ、実際どこまでやってくれるんでしょうか?

「風テラス」に来る方は、“今の状況をどうしたら改善できるのかが分からない”という方なんです。だから、まずは、相談内容をしっかりと聞き、アドバイスをします。
例えばお金の問題だったら、生活保護を受けたり、自己破産をしたほうが健全な生活が送れる場合もあるので、その方に合わせた改善策を提案します。必要であれば役所の窓口まで同行したり、精神的な病の場合には、病院まで同行したこともあります。
相談や同行は無料。自己破産などの法的手続きが必要になる場合も「法テラス」を使うなど、できるだけ負担の少ない方法をご提案します。

――無料でここまでやってくれるなんて素晴らしいサービスですね!
では、浦崎さんは今後「風テラス」をどのように発展させていきたいですか?

待機所と連携させていただいたことで、風俗の世界で働く方にアプローチが出来ました。自分だけでは、この業界の方たちとの接点ってほとんどなかったと思うので貴重な経験ができています。もっとたくさんの人に知ってもらえれば、風俗のマイナスイメージもなくなってくると思うんです。

相談内容って簡単なようで、解決方法は意外に単純じゃないんですよ。
法的な問題と、生活保護など行政的な問題、複雑に絡み合っているケースが多いんです。そのためには今後、ファイナンシャルプランナーや税理士など各分野の専門家と連携できたら、今よりもっとスピード感を持って適切なアドバイスができると考えています。

30代、40代が抱える「収入減」の悩み

社会福祉士木下さん

木下大生さんは、社会福祉士でもあり、武蔵野大学人間科学部の准教授。
ソーシャルワーカーとして、生活上の困難や、不安を抱えている人々、社会的に疎外されている人々に対して、問題解決のための援助を提供するため活動を行っている。

社会福祉士とは?
「専門的知識及び技術をもって、身体上もしくは精神上の障害があること、または環境上の理由により日常生活を営むのに支障がある者の福祉に関する相談に応じ、助言、指導、福祉サービスを提供する者、その他の関係者との連携及び調整その他の援助を行うことを業とする者」

――「風テラス」の活動に参加されたのはいつからですか?

去年の10月です。坂爪さんの著書を読み、風俗業界で軽度知的障害者が働いているという事実を知り参加すべくSNSでコンタクトを取ったんです。
私は障害者福祉について専門としているので、これは問題だな、と。

――今日はかなり長時間相談されていた方がいらっしゃいましたね。どんな相談だったのでしょうか?

生活設計の相談ですね。「若い頃に家を購入し、まだローンを払っているんだけれど、年齢を重ね以前に比べ収入が減ってしまい、この先ローンの支払いが厳しい」、という相談でした。

――なるほど。このケースはどのように話を進めるのですか?

まずは収支の見直しですね。収入と支出を洗い出し、どこまで支出を抑えられるのかを算出します。家も手放せない、生活レベルも落とせないとなると、風俗1本でやっていくのは厳しい。昼職を考えても資格やキャリアもないので、できることを洗い出す、といった感じですね。

――相談に来る風俗嬢さんは何歳くらいの方が中心ですか?

やはり収入が減る、という現実に直面してくる30代、40代が多いですね。

――木下さんが専門とする、知的障害者の方から実際に相談されたこともありますか?

それが実はないんです。自分の課題を課題と捉えていない可能性が高い。知的障害の方たちは、本来望んで性風俗に携わっているわけではない人も多いのに、そこにアウトリーチ(接触)できないジレンマがあります。

――今後「風テラス」でどのようなことをしていきたいですか?

やむにやまれず性風俗で働く人たちを支援につなげたいです。
偏見を取り除くこともそうだし、辞めてから次の職に就ける仕組みだったり。選択肢を増やしていきたいですね。

――本当にもっとみんなに知って欲しいし、どんどん来て欲しいですね。

知ってもらうことも大事なんですけど、状況が把握できていない人や、相談するという選択肢がなくひとり悩んでいる人たちにアプローチすることが大事だったりします。そのためには待つだけでなく、こちらから働きかける手法を考えていく必要があります。
風俗は悪、性の搾取だという風潮もありますが、私は必ずしもそう思っていないですし、辞めたくない人に辞めろとも言いません。人それぞれ、何かしらもっている生活課題をクリアできるよう支援していきたいですね。

風テラス
HP:http://www.whitehands.jp/futerasu.html
Twitter: https://twitter.com/futeras
E-mail: futerasu@whitehands.jp
相談予約・問い合わせはTwitterのDM、LINE、HP、メールににてお気軽に!
個人情報はもちろん厳守します。

風俗で働く女性のための救世主!無料生活・法律相談サービス「風テラス」

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サポータープロフィール

みやねぇ

みっけStory編集部

みやねぇ

みっけStory編集長。東京の下町で育ったチャキチャキの江戸っ子。何事にも熱く、感動ストーリーにはめっぽう弱い。昔、路上で拾ったじいさん猫が宝物。自慢は大食いで甘いものと揚げ物とお酒が大好き♪趣味は旅行(中南米LOVE)とマラソンと阿波おどり。

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