本音を言えば「お金のため」。だったらどれだけいい環境で働けるか。

妊娠発覚でシングルマザーに。息子にはとことん夢を追って欲しい

――牡丹（ぼたん）さんの経歴から教えてください。

医療・福祉系の専門学校を出て、病院でクラーク（病棟専門の事務）として就職しました。ただ、仕事柄、病棟にずっと居ると気分が落ち込んでしまって。その後は美容部員として百貨店に再就職しました。23歳の時ですね。

――百貨店ということは、外資系ブランドですかね？

はい、フランスのメジャーブランドです。そこで楽しく働いていたのですが、当時付き合っていた彼との間に子どもができたんです。その彼とは別れを考えていた時で…。シングルマザーとして子どもを育てようと決意しました。しかも同じタイミングで父が他界。会社の後処理やら何やらもあり、極貧（笑）。ガリガリに痩せこけてしまって。

――極貧って！その彼には頼らずに？

はい。面倒なことになるのがイヤで。体調不良で病院通いになり、美容部員の仕事も退職。貯めていたわずかな貯金で生活をしていました。本当にお金がなかったので、生まれた子どもは男の子なのに、友人からワンピースのおさがりもらったり。私は夏場、お湯がもったいないからと水のシャワーを浴びたり。

――すごい苦労をしたんですね。

子どもを産んで、2ヶ月で体調も復活。「よし、やるぞ！」とメラメラ燃えて、カフェの準社員として仕事を始めました。そこは長かったですね。準社員から社員になり10年くらいは働いたかな。

――メラメラ（笑）。その後に風俗へ？

そうです。初めての風俗は2年前。息子が塾に行きたいと言ってきたんです。金銭的なことを理由に「できない」と言いたくなかったし、この先もお金が必要だなと。今は、部活のスポーツに専念するため、離れた場所にいるんです。寮住まいなので、そういった費用も必要になって。

――スポーツの強豪校！将来が楽しみですね。

父親がいないからといって、夢を諦めさせてはいけないですよね。やりたいことは全部叶えてあげたくて。もう、稼ぎはすべて息子のためですね（笑）

お客様は若い子にはない、癒しや包容力を求めている

――こちらは3月オープンの新店。2年前に風俗デビューしたのは、別のお店ですよね？

デビューといっても、体験入店で辞めたんです。集団待機の縄張りみたいなのがあって「この世界、こわ！」と思って。

――縄張りとは？

待機室で普通に椅子に座るじゃないですか。そしたら「ここは私の席」と言われ。で、違う場所にずれたら、別の女性が「ここは私の席なんやけど」って。

――ひぇ～！椅子に名前なんて書いているわけじゃないのに！

そうなんですよ。「何この世界、こわ！」って、すぐ辞めました（笑）。その後は「個室待機」で調べましたね。

――なるほど。でも個室待機といっても、たくさんお店はありますよね。他に決め手はありましたか？

ホームページが綺麗だったこと！熟女系のお店って激安をうたっていることが多いけど、ここは雰囲気が自分好みだったんです。あとは、ホテヘルよりデリヘルのほうが、人に見られる可能性も少ないからいいかなと。

――確かに熟女系って、エロさを全面出しているところも多いですよね。

私、そういうの苦手なんです。今のお店の雰囲気を気に入ってお客様も来てくれるので、すごく接客しやすいですよ。そもそも、コンセプト自体が30代後半～50代なので、変に若ぶらないでいいし、誰も若い子を求めてないからラク（笑）

――お客様は、若い子でなく、あえて熟女世代を選んでいるわけですからね。

若い子は疲れるっていう声もよく聞きます。お客様はギラギラとした熟女ではなく、癒しや包容力のある「普通の女性」と会いたい方ばかり。全くの未経験でも問題ないですし、むしろここは、経験の浅い方のほうが合うと思いますね。

どんなに稼げても、「人」が良くなければ続かない

――ホームページで気になったのですが、牡丹さんはバイブや電マのオプションをNGにしていますよね。結構基本的なオプションだと思うのですが。

AVみたいなの無理です～（笑）。たぶんプレイの最中「え、何やってんの？」って素になってしまう（笑）。いや～無理！

――（爆笑）そうなんですね。むしろ手で触られるよりいいという方もいますけど。

気持ちよくなるように「もっとこうして欲しい」ということは言うようにしています。本当は風俗の仕事も好きでやっているわけではないんですよ。だからこそ、自分が楽しく、気持ちよくなれないと続かないですし。あ、でもこんなこと言ったらまずいのかな（笑）

――いやいや。それって風俗で働く子の多くが思っている本音かもしれません。そういう話こそ、これから働こうとしている子には響くでしょうね。

この仕事のやりがいは、ずばりお金です。こんなに効率よく稼げる仕事って他にはないし。でもイヤイヤやっていてはダメ。高いお金を払って遊びに来てくれるんだから、楽しんでもらいたい。そのためには自分も楽しまないと、相手に伝わってしまいますよね。

――自分も楽しむために、どうしたら気持ちいいのかを伝える。それってすごく重要なことですね。

仲良くなれば、相手の要望も見えてくるし、自分のことも知ってもらえる。だから、プレイの前に、たくさん話して、打ち解けることが大切だって思います。

――働く理由が、お金だとしても、お客様に選んでいただくにはやはり、そうした心がけは必要ですね。ちなみに1日平均で、どれくらいの収入になりますか？

週4日ほど、時間は13時30分～22時くらいまでの勤務で、1日3～5万円稼げます。同じような年齢層のお店では、かなりバックもいいですし、稼げると思いますね。

――稼げてますね～。牡丹さんが感じる、このお店の魅力って何ですか？

待機所がすごく綺麗でびっくりします。個室待機はやっぱり気がラク！

あとは、スタッフさんに苦労した人はぜひ来てみてほしいです。

前のお店は、女の子に機嫌を取ることばかり。でもここは、誰にでもフラットかつフランクに、そして自然に優しい気遣いをしてくれる方しかいません。

――スタッフさんの良し悪しも大事ですよね。

いくら稼げても、スタッフさんが信頼できなければお店に来ることがイヤになりますよね。それくらい人って大事だと思うんです。同じ働くなら、稼げて、人がよくて、お店が綺麗で。あとは、自分が無理せずにいられるのが一番！

私はここが最高だと思っています。

――最後に、仕事とは全く関係ないのですが、元美容部員で今なお美貌を保っている牡丹さんから、読者の皆さんに美容的なアドバイスもお願いします（笑）

化粧水は、安くてもいいからたっぷり使って、30分ほど置いてから、次のクリームなどをつけること。ちなみに私はドラッグストアの「極潤」800円くらいのものを使ってます（笑）。その後は、これもお安いアクアレーベルのオールインワンジェル（笑）。実はこの成分、有名美白系コスメの成分とほぼ同じです。

高いだけがいいとは限らない。質で勝負！これは、化粧水でも食べ物でも、お店でも同じですね！（笑）