
プロフィール

ことり
北陸出身。幼少期に親が離婚、そして再婚。数回の引っ越しを繰り返しを経験し、学校に馴染めず苦労をしていたそう。そんな時、夏休みにひとりで観た「テニスの王子様」にハマり、それ以来アニメ好きに。人見知りの性格でも、同じ趣味、共通の話題から一気に友達の輪が広がっていき、ことりさんにとって、アニメは人生にとってかけがえのないものとなった。高校卒業後、販売職を1年ほど。ある程度貯金ができたため、満を持して地方暮らしから都会暮らしへ。今はイベントの参加やキャラの推し活を満喫している。
このインタビューのポイント!
- オープンから15年以上。長く愛される大阪の老舗アニコス店!
- 共通の会話があるから、お客様との会話も盛り上がる♪
- ここは風俗店。しっかり気持ちよくなってもらえる努力を怠らない。
都会に来たのは、好きなことを全力でしたいから。
――ことりさんの経歴から教えてください。今は学生さん?
いえ、この仕事だけです。高校を出て一度就職。貯金ができたので、地方から大阪に出てきました。住んでいたのが北陸地方で、前から都会に憧れていたんです。地元では全然イベントもないし、東京や他の都市に行くのも、大阪なら行きやすいので。
――そのイベントとは、やはりアニメ系ですか?
もちろんです(笑)。一度就職をしてお金を貯めたのもアニメのため。好きなことを自由にできる環境を整えたかったんですよ。
――アニメ好きって、結構お金もかかりそうですよね。
やっぱりイベントのために遠征をしたり、推しのグッズを買ったりってお金がかかるので。レイヤーになると、衣装やウィッグやメイク道具も揃えるので、出費もすごいみたいですね。
――そこまで夢中になれるものがあるのはいいですね。風俗の仕事は『アニヒロ』が初めてですか?
大阪に来て最初の頃に、別のホテヘルで働いて、ここは2店目。最初のお店は、全然稼げなくて。というのも、その頃私は、今より20kgも太っていたんですよ。
ぽっちゃり店だったらまた違ったのかもしれませんが、普通のお店に入店しちゃって。元々人見知りということもあり、うまく会話もできず、1ヶ月で辞めてしまいました。
――でも、地方から出てきたばかりで風俗のお仕事って、勇気がいりますよね。
それがそうでもなくて。オタク仲間で風俗で働いている子が何人かいたので、前から興味は持っていたんです。働く理由は、お金のためもありつつ、純粋にどんな世界なのか知りたいというのもありました。結構、性に関しては貪欲だと思います(笑)
――最初は稼げなかった風俗のお仕事ですが、なぜ再び働くことにしたのですか?
単発の派遣をしていたのですが、コロナの影響で自分の働く業種の募集が少なくなってしまって。そして、ダイエットに成功したからです(笑)
――気持ちわかります!(笑)20kg痩せたらずいぶん変わるでしょうしね。
何気なく求人サイトを見ていたら『アニヒロ』の広告を見つけて。こんなところあるんだ!ってびっくりしました。ここなら楽しく働けそうだなと思って即応募をしたんです。
私服の心配なし。衣装を着たままホテルでお迎え・お見送り!
――アニメ好きなら、こんな職場たまらないですよね。ちなみに今日着ているのは何の衣装なのですか?
「ぼっち・ざ・ろっく!」の喜多郁代です。去年一番観たアニメですね。
――あぁ、分かりました!高校生バンドのお話ですね!それにしても、こちらの部屋にも、ものすごい数の衣装が並んでいますよね。
面接をしたのは、この部屋だったのですが案内された時「すごっ!」と思いました。今まで自分でコスプレをしたことはなかったので、ワクワクしましたね。
――実際に働いてみて、どうですか。
お店のスタッフさんも優しいし、お客様も皆さんいい人ばかり。何のストレスもなく働けています。同じアニメが好きならもちろん盛り上がるし、自分が知らないアニメを教えてもらえるのも、楽しいんです。
――プレイとしては、普通のヘルスですよね。
はい。他と違うのは、お客様の待っているホテルに後から行くのではなく、最初に衣装を着た女の子が部屋で待っている形です。帰りもプレイが終わったら、衣装のまま室内でお見送り。お客様と一緒に歩くこともないので、私服に気を使う必要もありません。これって結構大きなポイントですよね♪
――待機室はどのような感じですか?
集団待機か、個室待機か自分で選ぶことができます。私は何となく集団待機室を使っていますが、周囲と会話をせず、ひとりの世界に浸っていても全然問題ないです。私がそのタイプ(笑)。
もちろん、みんなと楽しくおしゃべりをする子もいますし、思い思いに過ごしています。
トークだけでなく、風俗としてのサービスもしっかりと。

――出勤ペースと、1日の平均的なお給料を教えていただけますか?
週に3、4日、時間は16時~22時で出勤しています。だいたい90分のコースの方が多くて、MAX接客して3人。お給料は1日2、3万円といったところです。
――この時間帯だと会社員の方が多いのですかね。
そうですね、スーツを着た方が多いです。でも、それ以外にも幅広い年齢の方が来ますね。この前はなんと18歳の方が来たんですよ。運動もされていたので、体型もシュっと絞れてて。絶対モテそうなタイプなのに「女性経験がないのでいろいろ教えてください」って。もちろんオタクです(笑)
――いろいろなオタクの方がいるのですね(笑)。ことりさんがこのお仕事に就いて、良かったなと思うのは、どんな時ですか?
出勤時間も自由だし、自分の好きなものに、お金を惜しみなく使えるのは嬉しいですよね。遠方のイベントがあれば、旅行を兼ねて少し足を延ばしてみたり。こんな贅沢ができるのは、風俗のお仕事ならでは、って思います。
――推し活に全力投球するために、大阪に来たのですものね。
接客的なことだと、自分が紹介したアニメやゲームの感想を言ってもらえると嬉しいですね。あとは、帰り際に「気持ち良かった」と言ってもらえた時!
――それは意外ですね。趣味が同じで話が盛り上がるはずなので「楽しかった」が、一番嬉しい言葉なのかな、と思いましたが。
もちろん楽しい時間を提供するのが前提です。お客様によっては、プレイ自体が趣味の延長かもしれませんが、やっぱり風俗のお店に来ている以上、満足していただきたいですね。
自分だったら、風俗に行っているのに、アニメの話で盛り上がるだけの接客をされたらガッカリしてしまうと思うので。
――確かにその通りですね。プレイで難しいと思うところはありますか?
素股が難しくて苦手。YouTubeで、風俗嬢のお姉さんが発信しているのを見て勉強しています。
――ただ楽しいだけの接客ではなく、しっかり「風俗の仕事」を全うしようとする姿勢に共感します。
お客様にも「気持ちいい?」「こうしたらどんな感じ?」などと聞いちゃいますね。とにかく自分としては、ノンストレスの楽しいお仕事。このお店が好きだし、長く働きたいんです。そのためにもトークとプレイ、お客様には両方で満足していただけるよう、頑張っていきたいですね。
編集後記
谷町九丁目駅からすぐの場所にある、アニメ・ゲームコスプレのホテルヘルス『アニヒロ』。取材場所に訪れると、ズラリと並ぶコスプレ衣装の数々!その数はなんと約1000着というから驚きです。大阪ではこちらが元祖で、リピーターさんも多数。お客様からの寄贈衣装があるのは、愛されている証拠ですね。さて、今回お話を聞いたのは、小柄で可愛らしいことりさん。北陸地方から大阪に出てきた際、一度は別のホテヘルで働いたそうですが、自分に合わないお店だったようで全く稼げず。再度、仕事をしようと何気なく求人サイトを見ていたら、同店を見つけ、アニメ好きだった彼女は即応募。まさかこんなコンセプトのお店があるとは知らなかったようです。ことりさんは、趣味のトークが盛り上がることだけでなく、きちんと「風俗店」として満足してもらえるよう「プレイ自体も手を抜かない。貪欲に学んでいる」とのこと。素晴らしいですね♪
- 取材・文=みやねぇ(@mikke_story_myn)