お客様への愛と、楽しむ気持ちは天性のもの。傷や発達障害は、面接合否に関係なし。

エッチなことが大好き。M女なら私にもできるかもしれない。

――ななさんはまだ新人さんなのですよね。ホームページを見ると、風俗未経験で入店されたようですが、なぜSMの世界へ？

入店は昨年の12月なので、まだ3ヶ月です。私は精神的な障害をもっているんです…。元々エッチなこと、責められることが大好き。ここはM女専門ということで、従うことなら自分にもできるな、と思って入店しました。

――障害？差し支えなければもう少し詳しく教えていただけますか？

ADHD、自閉症といったものです。思考が変わっていたり、記憶ができなかったり。深く考えたりすることが苦手で、行動の抑制がうまくできなかったりするんです。

――今はよく聞くようになりましたね。気づかずに大人になる人も多いみたいですし。

はい。私もずっと何となくおかしいという自覚はあったのですが、それが精神的な病気だということもわからなかったですね。

――過去はどのようなお仕事をされていたのですか？

高校を卒業して、一般事務の仕事に就いたのですが、うまくいかなくて。半年ほどで辞めてしまいました。

――それからは？

実家に戻って、しばらくニートです。そのあとは姉の旦那さんの会社の経理事務を少し手伝ったり。次の職場で出会った人と結婚してからは、専業主婦を続けていたのですが、3年前に離婚しました。相手も自閉症だったので、病気が原因というよりも、性格や価値観の違い、みたいな感じですね。

――直近のお仕事はホテルの清掃員だったようですね。

はい。離婚する少し前からパートとして働いていました。そこで、ある程度責任あるポジションを任されるようになったのですが、とにかく激務とストレスで、身体が出勤を拒むようになってしまって。精神科にはじめて足を運び、そこで自分は適応障害（ADHD、自閉症）であると知ったんです。

――ちなみにそれらの障害は、お薬などで抑えられるのでしょうか。

基本的には脳の仕組みが起因しているため治らないんです。ただ、補助的なものとして、薬で症状を抑制させることはできます。

10歳で目覚めた性。性依存の拠り所はSMの世界。

――では、その診断を受けてから、初めての仕事がこのお仕事なわけですよね。ご自身のことだけでも大変なのに、いきなり風俗というのはハードルが高そうですが。

う～ん、というより、エッチなことがしたい気持ちのほうが強くて。性依存なんですよね。小さな頃からエッチなことが大好きだったんですよ。かれこれ10歳から（笑）

――10歳！（笑）また、何がきっかけで？

6歳離れた兄がいるんですが、当時兄の友人が遊びに来ていたんです。そこで、ふたりがアダルトビデオを見ているのを覗き見してしまって。下半身がゾクッとした感覚を今でも覚えています。そこからですね。兄が不在の時に、エッチな本を見ては興奮して、オナニーをしていました。

――早熟ですね～。男性経験は早いのですか？

高校1年の時なので、その頃にしては少し早いかもしれませんね。相手はネットで知り合った30代の人。とにかく早く処女を捨てたくて、相手は誰でも良かったんです。性に興味はあるものの、男性経験はこの時の人と、夫のみ。その間は、女性と何度か付き合ったこともあるんです。

――これもまたびっくりです。男女どちらでもＯＫなんですね。

女性に関しては、好きだと言われて付き合ったんですよ。好きになったからセックスが気持ちいのか、セックスをしたから好きになったかはわかりません。男女どちらであっても、基本は受け身。責められるのが好きなのと、アブノーマルな世界にも興味があります。

――なるほど、元々そういう世界に興味があったわけですか。

風俗で働いてみたかったけれど、経験が少ないのでテクニックがあるわけでもない。SMのM女なら、私でも出来るかなと思ったわけです。

あと、身体に傷があるんです。TATOOとリストカットの痕も。普通のヘルスでは雇ってもらえないだろうと。

――確かにＭ女さんは、自虐的な部分を持つ方が多いかもしれませんね。

私は障害として認定されていますが、SMの世界はかなり特殊で、ぶっ飛んでる人も多いみたいです（笑）。傷や経歴関係なく、採用していただけて嬉しかったです。

体に無理なく一日2件。半月の出勤でも40万円！

――SM店のなかで『Noble』を選んだ理由は何だったのでしょう？

サイトを見てＭ女専門店だったことと、やっぱりゆらさんですね。「この人、かわいい！」って一目ぼれ（笑）。あと、実際にプレイヤーをされているゆらさんのお店なら、女の子を大切にしてくれるだろうと思ったからです。

――実際に未経験で入店したわけですが、働きやすいと感じますか？

はい。まず、『Noble』はゆらさんの講習を全員受けることが出来るんです。お店によっては有料だったりもするようですが、ここは無料です。とにかく丁寧に、最初から最後までみっちり教えていただけるんです。お尻への指入れも教えてもらえるのですが、実際にゆらさんに指を入れてもらって、ポイントを学んでいきました。

（プレイヤー兼『Noble』プロデューサーゆらさんと）

――基本プレイにアナルバイブも含まれていますものね。

これはきちんとできるようにならないと、傷をつけてしまうため、危ないらしくて。ただ、私は、お尻が苦手なんです。基本プレイに含まれてはいるものの、全員が希望されるわけでもないので、写メ日記で「お尻は苦手」と書くようにしています。そうすると、お尻を避けてくれたり、お尻が好きなお客様は他の女性を選ぶので。

――そうすることで、基本プレイであってもうまく自分の負担を軽減させることができるわけですね。今は、どんな出勤ペースで働いていますか？

週に3日、12～21時です。出勤日数は少ないのですが、身体を休ませることも大事なのと、十分に生活ができるお給料がいただけるので、無理はしません。

――指名などはこれからだと思いますが、お給料はいくらくらいになりますか？

入店初月、実質半月の勤務で、40万円でした。もう本指名様が返ってきてくれたんですよ～！

――それはすごいですね！SM店は稼げると言われてますが、やはり素質もあるのでしょうね。ななさんは、お客様にどのような時間を提供したいですか？

私といる時間は性癖を全部出してもらいたいです。ご主人様がしたいことをすべて受け入れていきたい。今まで内に秘めていたものを全てさらけ出してもらえるような。

――お仕事で悩んでしまうこともあると思いますが、そんな時はゆらさんに相談を？

はい。私は「こうしたほうがいい」という言い方をされると、私の場合、視野が狭まり、一生懸命になりすぎちゃうんですよ。でもゆらさんは「私はこうしていた、私だったらこうするかな」と、あくまでも自分のこととしてアドバイスをしてくださるので、すごく助かっています。

――ななさんが、楽しんでお仕事をされているのが伝わります。

本当に天職だと思います。終わった時に、楽しかったと言っていただけると本当に嬉しいですし、必要とされることで安心します。まだまだ勉強中ですが、常にお客様に寄り添う気持ちを大切にして、このお仕事を続けていきたいですね。