洗体、マッサージ、ヘルス。何かが苦手なら、他の何かで勝負すればいい！

ハイブリットエステという業種をまだ知らない女性も多いだろう。
これは、本格エステのリラックスと、ヘルスの快感を一度に味わえるというプレイ内容。お客様は性的興奮だけを求めているわけではないので、攻めよりも受け身の男性がほとんどなのは言うまでもない。

『新宿泡洗体ハイブリッドエステ』の看板嬢のひとりでもある杏奈さんは、おっとりした口調の癒し系。入店当初は、慣れないマッサージでお客様を満足させることができるのか、とても不安だったそう。しかし、女性講師から「お客様が求めているものは技術ではなく気持ち」というアドバイスで一気に視野が広がったという。

前職のピンサロ時代もかなり収入はよかったが、現在も同等の収入で、体の負担は1/5程度。出勤日数も減らしている。
ヘルスよりも体の負担がなく、収入はエステよりも見込めるハイブリッドエステに注目してみてほしい。

30分で回転するピンサロは、体力的にハードすぎた

――杏奈さんが風俗に入る前の経歴を教えてください。

短大入学と同時に岩手から上京してきました。かっこよくいえば、そのまま地元にいたら自分の可能性が閉ざされてしまうと思ったからです（笑）。交友関係も狭い世界でしかないし。
そのあとは東京の飲食店に正社員として就職。数年働いたのですが、正社員からアルバイトに勤務体系を変えました。

――同じ会社の中でアルバイトになったんですか？

正社員は何かあれば休みの日もちょくちょく呼ばれるし、勤務時間も長いし。お店は気に入っていたんですが、社員は割に合わないなと。そこでアルバイトに変えて、その分の空いた時間を何かほかで掛け持ちしようと考えたんです。

――社員よりは給料も安くなるわけですから、たしかに掛け持ちしないと生活ができなくなってしまいますよね。

そこで、性的サービスのないガールズバーへ面接に行ったんですよ。でも面接をしたスタッフの方に「ここでは稼げない」とか「もっと稼げる仕事がある」と言われて、結局ピンサロ店をすすめられて入店。

――えー！何かおかしいなと思わなかったんですか？

ルックスで不採用だったんだなと思いました。だから風俗にまわされたんだ、と諦めましたね。

――きっと最初からその狙いだったんですね。で、結局どれくらい働いたんですか？

1年半くらいです。30分でお客様をまわすので、とにかくハード。でも、お金のためだと自分を追い込んで追い込んで。収入も1日5～6万は当たり前でした。

――すごいじゃないですか。かなり稼げていたのですね。

仕事はもちろんハードだったのですが、「知らない人と笑顔で接するのは得意かも」と思っていたら、いつの間にか店のナンバー1になれたんですよ。

――1年半も続けてナンバー1にもなれたのに、なぜ続けなかったのですか？

さすがにハードすぎて限界を感じました（笑）。あとは衛生面も最初から気になっていたので。ピンサロは拭くだけですから……。

――そのあとはこちらのお店へ？

はい。半年前に入店しました。ピンサロで稼いだお金は歯の矯正や、英会話教室に通ったりしたので貯金が全然残っていなくて。今度はしっかり貯金もしなくちゃ、と。やっぱり稼ぐならこの業界だなと思い、いろいろ探した結果、このお店にたどり着きました。

人と比べない。プロの技術力より尽くす気持ち

――ハイブリッドエステって、経験が浅い方だと聞き慣れない方も多いと思うのですが、最初からプレイ内容をわかって応募したのでしょうか？

いえ。最初は系列のヘルス店に応募しました。ただそこはお姉さん系のお店だったんですよ。スタッフさんが「ハイブリットエステは通常のヘルスよりも体の負担が少ないし、癒し系のあなたに合うと思う」っておすすめしてくれたんです。マッサージもやったことはなかったのですが、スタッフさんもすごく感じがよくて、トライしてみることに決めたんです。

――こちらは半個室待機なんですね。めちゃくちゃ広いし綺麗。やはり癒し系の女性が多い印象ですか？

はい。見かける女性のなかに、ケバい感じの方はひとりもいませんね。上品な感じの女性や、かわいらしい方が多い気がします。

――いざ仕事をしてみた感想はいかがでしたか？

お客様の目的はエステとヘルス両方。抜きに関しては、かなりピンサロで経験したので、どうすればお客様が満足できるかはわかっていたつもりです。ただ、初めてオイルマッサージの講習を受けてみて「私には無理なんじゃないか」って思ったんです。

――難しかったということでしょうか。

はい。本格的なエステ技術を女性講師に教えていただいたのですが、お客様に試してみても、これでいいのか、本当に気持ちいいと思ってくれているのかもわからないんですよね。ただがむしゃらにやっていたので、とにかく疲れました。頑張っても頑張っても、うまくできていない気がして、再び講師のお姉さんのところに、講習をお願いしに行きました。

――前向きでいいですね！

そこで言われた言葉が気持ちをすごくラクにしてくれたんです。
「エステティシャンなんてみんな何年もかけて技術を身に着けてきた。エステのプロとは違うし、たった数回でうまくなるわけがない。お客様はそこまでの技術を期待しているわけでもない。求めているのは、心。気持ちだよ」って。

――まさにその通りですね。エステのプロとしての技術を求めるなら専門店に行けばいいわけで。できることは、風俗嬢のプロとして一生懸命取り組むっていうことですよね。

そうなんです。もちろん元エステティシャンも在籍しているので、そういう子はエステ技術でお客様を癒す。私はヘルス、会話など、自分が得意なことでビハインドを取り戻せばいいんだなって。

――ちなみに泡洗体はお店の特徴ですが、これは自信あり？

得意かと言われたら即答できません。というのも、泡洗体って、ボリュームがある女性のほうが男性は気持ちいいと思うんですよ。私は細くて胸も小さいので（苦笑）。でも、泡を作るときの弾力性や、塗り方、触り方などを工夫して、官能的な時間が提供できるよう自分なりの努力はしていますね。

スタッフもお客様も。いい人たちに恵まれて幸せ

――プレイ時間はどのようになっていますか？

70、100、130、160分があり、やはり時間が長めなので収入にも直結しますね。コース時間は長くても、ヘルスの時間は10～30分程度。一番疲れるのってヘルスなので、この時間が短いのはやはり体力的にも精神的にもラクですね。

――しかも、基本は男性が受け身なわけですからね。

はい。ほとんどの方が穏やかな紳士ですね。

――杏奈さんはプライベートでも攻め派なんですか？

いえ、本当は受け身なんですよ～。でも、そこは我慢です（笑）。

――マッサージに関してですが、その後ご自身の技術はやればやるほどうまくなってきた、という実感はありますか？

あります！力加減もかなりわかってきました。ここに来るお客様って、マッサージが好きな方が多いので、普段本格的なマッサージ店に通ったりしているんですよ。だから、ここをこうしてほしい、という要望を聞くたびに、「こんな場所がツボなのか！」と発見できるんですよ。覚えた技術を早速次のお客様に試してみたり（笑）

――なるほど。それに通い慣れている方だと、自分の凝っている場所や気持ちいい場所がわかりますものね。

そうなんですよ。慣れている方だと自分の技術力の無さが露呈してしまうのかなと思ったのですが、逆に言っていただけるからマッサージのツボはつかみやすいんです。結果として満足していただくことが多いですね。

――収入面ではいかがですか？ピンサロ時代でも1日5～6万円ということでしたが。

今も同じくらいです。でも、疲れ方が全然違うんですよ。以前は1日10～15本ついていたのですが、今は1日2～3本。ゆったりとした時間がすごく心地よくて。体の負担は1/5くらいの感覚です。

――ひとり暮らしにも十分な金額が、ゆとりある中で稼げているわけですね。
この先の話になりますが、将来的な目標はありますか？

実は、今、昼間のバイトもしているんです。週2～3日ずつ、この店と掛け持ちで。今年はしっかり稼いで貯金ができたら、やっぱり昼職に復帰したいなとは考えています。それでもこの仕事は続けられたらいいなとは思っていますが。

――最初は自信のなかった女の子が、今、楽しんで仕事ができているっていいですね。

やっぱりスタッフさんが優しいっていうのが、一番大きいかもしれません。以前のお店では、スタッフさんの態度がひどかったんです。女の子には優しかったんですけど、お客様に横柄な態度をとったり。でもここは、お客様にも本当に丁寧。お客様からもスタッフの対応がいいねって褒められることがあるくらい。こういうのってすごく嬉しいんですよ。

――いいお話が聞けました。では最後になりますが、風俗で働いてよかったと思うことは何でしょう？

自分に投資ができること。食事も、身に着けるものも。美容院に行く機会はかなり増えましたし、もちろん心に余裕ができる。そうすると、褒めてもらう機会が増えて、また気分が明るくなる。まさにプラスのスパイラル。
素敵な方たちに恵まれて、人間的にもおおらかになれた気がします。