プロフィール
F
神奈川県出身。性感マッサージを日本で広めた、ドクター荒井氏の店へ遊びに行ったことで感銘を受け、同店を起業。名ばかりの性感マッサージ店が増え続ける中、真の性感マッサージ技術を残していきたいと、日夜在籍キャストに技術を継承している。尊敬する人物は、マザー・テレサで、高い志でも決してめげない姿に共鳴するそう。
このインタビューのポイント！
- 初出勤は講習を経てからのため、体験入店はなし
- ”人に尽くせる職業”こそ性感マッサージ向きの職業
- 面倒な駆け引きいらず。必要なのは技術だけ
全身の性感帯を刺激して感度を高め、射精を伴わないドライオーガズムへと導く性感マッサージ。その技術に徹底的にこだわった老舗店が、錦糸町で10年以上運営しているM性感マッサージ専門店『レジェンド』だ。
接客時は、パウダー、前立腺マッサージなどのハンドサービスのみ。女性は脱がない、舐めない、触らせないの“3ナイ”で働くことができる。しかし店長のFさんは、ソフトサービスを全面に出して、働きやすさをアピールしたいわけではないと言う。今回のインタビューを通じて、形ばかりの性感マッサージ店ではなく、本当の技術を伝えて再び世の中に性感マッサージの業種を盛り上げたいと願う、職人気質なFさんの熱い想いが伝わってきた。
初出勤は講習を経てからのため、体験入店はなし
――Fさんは、どのような想いから性感マッサージ店を立ち上げられたんですか？
80年代にテレビの深夜番組で、伝説の性感マッサージ師・ドクター荒井さんという方が取り上げられ、性感マッサージが一代センセーションになった時代があったんです。そのドクター荒井さんの性感マッサージ店の技術がすごいと口コミで広がり、自分も客として行ったときに「こんなにすごい風俗店があるんだ」とその技術に感銘を受けました。
その当時は伝説的な技が繰り広げられていたものの、現在は名ばかりの性感マッサージ店が乱立しているのが現状です。そこで再び、伝説的な技を復活させて業種を盛り上げたいという願いから『レジェンド』と名前をつけて立ち上げました。
――店名に繋がってくるのですね。伝説の技とは、当時どんなものがあったんですか？
当時は女性の指技だけで真のドライオーガズムに導いて、お客様をたくさん呼べる女性がいました。でも、今はテクニックを重視するよりも、オプションを過激にしてお客様を呼ぼうとする店が増えています。
うちのサービスは脱がない・舐めない・触らせないの3ナイで、これは求人の応募者を増やすために言っているのではありません。過激なサービスにすると、お客様の快楽レベルが最高潮まで達さないからです。男性に攻めたい気持ちを起こさせないことで、興奮が高まるのが性感マッサージです。なので、うちのサービスはそうした内容を考慮のうえ接客の流れを組んでいます。
――なるほど。逆にオプションを過激にしていくと、性感マッサージとしては逆効果なんですね。
そうです。ただし過激さがない分、稼ぐにはそれ相応の技術が必要になります。かといってテクニックを身に着けたいという女性は減ってきているので、時代の流れとはいえそこが難しいところではありますね。
――技術を身に着けるために、講習はされていますか？
はい、講習のカリキュラムを組んでいて、1週間×4時間で合計30時間ほどの講習を行っています。ただし、すでに技量がある方は簡易講習として2日で終わる方もいますし、4～5日後に働ける方もいます。いずれにせよ必ず講習を受けてからでないと接客できませんので、うちの店では体験入店はありません。
講習が煩わしい女性もいるかもしれませんが、未経験の方からすると仕事内容を万全にしてから接客できるメリットはあります。また、経験者でも接客の癖がついている場合があります。野球に例えると投手がピッチングフォームを変えるのが大変なように、未経験の方のほうが素直で覚えが早い場合はあります。
――確かに何事も経験があると、考えが凝り固まってしまう場合もありますね。
うちでは講習で技術をしっかり学んでいただきたいので、経験値を問わずに前向きで素直な女性は大歓迎ですね。現状、本人の容姿や愛嬌といった素質に頼りきっている店も多いです。でも、うちの店では技術をしっかり覚える必要がある分、努力を怠らなければどんな女性でも絶対に稼ぐことが可能です。
”人に尽くせる職業”こそ性感マッサージ向きの職業
――技術へのこだわりが伝わってきます。どういう女性がお店に向いていると思いますか？
例えば介護士や美容師、保育士など、人に尽くす職業で働いた経験がある方は、成功されている方が多いですね。正直なところ、早く簡単にお金を得たい女性はうちのお店は向いていません。それよりも、長期的に働いて高額貯金を目標にしている方のほうがいいですね。
というのも、昔は性感マッサージの技術で都内にマンションを購入した女性がたくさんいらっしゃいました。手に職を付ける職種となりますので、技術職が天職だと思えるような女性が面接に来てくれると嬉しいですね。
――在籍されている女性は、どのような働き方をされていますか？
現状は週1、週5出勤とさまざまで、ほぼ兼業です。ただ、練習、研究、勉強が大切な職種になるので、専業で働いたほうが稼ぎは伸びていきます。
給与に関しては一概に言えないですが、技術が伴えば月125万円は可能です。高い目標を持つことで技術力も給料も伸びていきます。週5で月100万目標にすると、月80万円は稼げるイメージです。
――徹底した技術力への追及を伺っていると、ハンドサービスだけでも稼げることに実感が沸きますね。指名を増やすためにも、技術が一番大切なのでしょうか？
はい、技術があれば指名が取れていきますね。指名が取れないと稼ぐのはほぼ無理ですし、そのためには本人がある程度の努力をしないといけません。
容姿が良いから稼げる業種ではなく、容姿が良くて努力しない人よりも、自信がないからこそ努力する女性の方が稼げます。
――このインタビューを読んで、努力の大切さを理解したうえで来てくださるといいですよね。
そうですね。面接では包み隠さずすべてお話ししていますので、必ず一旦家で考えてから大変だなと思えば働かなくて大丈夫ですし、逆に技術を頑張ることで稼げるならやってみたいという方がいたら嬉しいです。
面倒な駆け引きいらず。必要なのは技術だけ
――接客の流れを教えてください。
女性は衣装着用での接客になり、オプションでも脱ぐことはありません。お客様は完全受け身で、指圧、全身パウダー、マッサージを施術します。特にうちの店は前戯の時間が長いのが特徴なので、長時間パウダーが人気です。お客様はテクニックを求めて遊びに来られています。そのため、接客での駆け引きが必要ないので、施術内容だけで稼げます。
――技術力の向上が大切となると、やはり長期的に働かれる女性は多いのでしょうか？
うちのお店は、長く働いていただける女性が多いですね。ただ、その方たちも結婚や年齢を理由に卒業される方も増えてきました。これからは、若い世代を育てていきたいと考えています。
店も長く経営していますので、おかげさまで新聞や雑誌などの取材も多く、新規のお客様も殺到しています。せっかくにぎわっている店なので、技術面だけでなく、女性一人ひとりに合った売り方を伸ばしてサポートしていきたいです。
――接客を続けると悩むこともあるでしょうから、スタッフさんが一人ひとりの悩みと向き合ってくれるのは嬉しいですね。
女性に何も教えずに、性感マッサージ専門店をうたっている風俗店は多いですよね。うちの店のように性感マッサージ店で本当に脱がずに働ける店はごくわずかだと思いますし、特に技術へのこだわりに関してはうちくらいじゃないかという自負はあります。
――Fさんの今後の目標はありますか？
今は錦糸町のホテル、レンタルルームへの出張だけなので、在籍女性の数が増えたら、他のエリアにも進出してお店を増やしていきたいです。
――それでは、最後にお店が気になった女性へメッセージをお願いします。
本当に手だけで収入を得るというのは、それなりに大変な部分もあります。でも、性病リスクのないメリットも大きいので、ぜひ一度お話を聞きにきていただきたいですね。この記事を読んで、私と価値観が一致するような女性に来ていただけたら嬉しいです。
- 取材・文＝藤原リョウコ
