プロフィール
T
1986年、富山県生まれ。中学から続けていたハンドボールで高校、大学は特待生というスポーツマン。自動車の営業職から風俗業界に転身。たまの休日は、行楽地に出かけ、冬になればスノーボードを楽しむ。大切にしていることは、独りになってもの思いにふける時間とのこと。
このインタビューのポイント!
- 風俗店で働く友達がいたので風俗業界に抵抗はなかった
- お客様だけでなくキャストも大事にすることで自身が成長
- やる気があれば40代可。背中一面の刺青があってもOK
吉原にソープランド5店舗を展開する『ドリームグループ』。そのひとつ『Club夢』のフロントマンを務めるT氏は、身長180cmを優に超え、ハンドボールの選手として鍛えたガッチリとした体型。しかし、その話しぶりはいたって穏やか。
と言っても、かつては言葉遣いで上司に怒鳴られたこともあるという。そこには現場にもまれたT氏の成長があるのだろう。
そして今、目標とする店長の下で働いている彼の目は、とても輝いていた。
風俗店で働く友達がいたので風俗業界に抵抗はなかった
――風俗業界に入ったきっかけを教えてください。
地元の富山で自動車の営業職をしていたのですが、離婚して地元を離れて、名古屋、静岡、神奈川でしばらく遊んでました。でも、ずっとそうしているわけにもいかず、風俗業界に入ったんです。最初は、川崎の大手ソープグループで3年ほど働いていました。
――風俗業界に抵抗はありませんでしたか?
地元にデリヘル店やスカウト会社で働いている友達がいっぱいいたので、風俗業界に抵抗はありませんでしたね。デリヘル店のオーナーをしてる友達もいますし、離婚した元嫁もキャバクラ嬢でしたから。
――川崎のソープ店から吉原の『Club夢』に移られたのはどうしてですか?
親に仕事のことがバレて、一度は地元に戻りました。でも、富山では仕事が限られてるので、東京に出て働こうと思ったんです。それで、上京する新幹線の中で、求人サイトから何店舗かエントリーして、最初に返信があったのが『ドリームグループ』。そのまま面接をして採用されて、『Club夢』は2年目になります。
――風俗業界は長時間労働が当たり前で、皆さん苦労されるようですが。
労働時間は気にならなかったですね。自動車の営業をしていたときも長時間勤務でしたし、休みの日数で言えば、今とそんなに変わらないんですよ。むしろ、シフトをうまく組み合わせれば、時間としては長く休めます。だから、そんなにしんどくないですね。
お客様だけでなくキャストも大事にすることで自身が成長
――営業経験があったということで、すんなり業界になじめたのでしょうか?
いや、当初は戸惑うことはいっぱいありました。お客様を大事にするのは当たり前ですが、川崎で働き始めたころは、女の子の頑張りで自分が食べていけるってことを理解していなかったんです。
それで、女の子にタメ口で話したり、呼び捨てにしたりしたことがあって、かつての上司から「どれだけ偉くなったんだ? 女の子は高級ブランド品だと思え!」ってすごく怒られました。それ以来、気持ちを改めて気を付けています。
今では場を和ませるためにくだけた話し方をすることはありますし、いろいろなタイプの女の子がいますので、相手に合わせるようにしています。
――こちらのお店の職場環境はいかがですか?
店長の下にフロントマンとして僕ともうひとりいて、横一列のスタッフが3人ですね。僕は縦の関係を作りたくないんです。と言うのも、学生時代にハンドボールをやっていて、体育会系のまさに縦社会にいましたが、下級生は先輩の付き人みたいなことをさせられるとか、意味がないと思うんです。
だから今も上から下へ、頭ごなしに「自分で考えろ」って言うのではなく、「こうしたほうが、仕事が楽になるんじゃない?」って説明するように伝えています。そうしたほうが、わかりやすいと思いますしね。
――ご自身で気付かれて、そうするようになったんですか?
先輩や店長のやり方を見習ってですね。
――在籍の女性に、こちらのお店はリピーターの方が多いと伺ったのですが、その理由は?
新規のお客様も大事ですが、リピーターの方も大切にしているからですかね。僕らは、個人の携帯電話の番号を書いた名刺をリピーターの方にお渡していて、お客様から直接予約を取ることがあります。
リピーターの方ですと女の子の利用履歴があって、接客した子の中には相性が良くない子がいます。しかし、お客様がそれを忘れて指名することがあるので、そんなときは別な子を紹介してあげられるんです。僕らは、そうした気配りを大事にしてますし、店長はその辺りの対応力がきめ細かいので、支持してくださっているのかなと思います。
やる気があれば40代可。背中一面の刺青があってもOK
――女性の採用基準について教えてください。
特にありません。年齢は20代から50歳近い方も働いてます。容姿や体型も不問です。やる気があれば大丈夫。実際、妊娠線やタトゥーがある子もいますし、中には背中から腕、太ももまで刺青が入っている子もいます。
面接でのポイントは、本人の意思が感じられるかどうかですね。やる気が感じられないと、こちらも採用しようという気が起きませんから。
――『Club夢』が女性から選ばれる訳はどんなところにあるのでしょうか。
「採用率が高いから」が一番ですね。やる気さえあれば、それ以外は問わないですし、月に何日出てほしいとか、何時間勤務してほしいということはありません。短い時間でも予定外の出勤でも出てくれれば、お店としてはありがたいと思っています。日給保証はありませんが、手ぶらで帰らないように僕らが全力で頑張ります。
あとは、うちのお店を辞めた子から「店長がまめで稼げるから」って紹介されて来る子もいます。それは、店長の人徳ですね。
――これから『Club夢』で働こう、あるいは面接を考えている女性にメッセージをお願いします。
20代、30代、40代と幅広く募集していますので、気軽にお話だけでもお問い合わせいただければなと思います。話を聞いて合わないなと思ったら、そう言ってもらって構いませんし、お店側が無理強いすることはありません。また、未経験の方は、ランキングに入ってる人気の女性から講習を受けられるのでご安心ください。
短期や出稼ぎも大歓迎です。寮がありますし、負担ができるだけかからないよう安価なホテルやウイークリーマンションを紹介することもできます。また、シングルマザーの方は、託児所についてもご相談ください。
――将来の目標を聞かせてください。
まだまだ先の話ですけど、店長のようになれればいいですね。店長は、仕事一辺倒でなくて、プライベートと仕事でメリハリがある方なんです。実は、1年くらい姉妹店に異動になっていたんですが、去年の夏からこちらに戻ってきました。時々怒られますが、目標とする方とまた一緒に仕事ができているのでうれしいんですよ。
- 取材・文=みけお